第53回(2022年度)日本看護学会学術集会 幕張

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ポスター

ポスター17群 看護教育~看護実践能力~

Wed. Nov 9, 2022 9:30 AM - 10:30 AM ポスター会場 (国際展示場)

座長:渡辺 尚子

[ポスターM-17-3] 糖尿病院内認定看護師(エキスパートナース)の活動状況と課題

湊 涼子, 尾田 由香, 河村 広美, 眞田 唯, 杉本 美佐子, 笠井 久里 (JA 徳島厚生連吉野川医療センター)

Keywords:エキスパートナース、糖尿病看護、リンクナース

【抄録】
【目的】エキスパートナース(以下、糖尿病認定看護師)の活動状況を把握し、院内認定制度の課題を抽出する。【方法】研究の同意を得られたエキスパートナース71 名にアンケート調査を行った。調査項目は⑴属性⑵エキスパートナースの活動状況⑶エキスパートナース制度(導入期・学習期・実践期)の課題とした。分析方法は単純集計、ならびに活動状況調査、制度の課題調査は属性との関連を比較した。【結果】アンケートは個人情報を保護し、研究の趣旨に同意を得られたエキスパートナース71 名に配布した。回収率は98.6%で有効回答率は100%であった。属性は、エキスパートナース活動状況と課題調査ともに有意な差は見られなかった。活動状況の調査では、エキスパートの看護実践の経験があるのは71.4%であった。実践内容としては技術指導が最も多く、次いで精神的援助であった。リンクナースとして活動をしているのは15.7%であり、活動できない理由として、実践する機会がないことが最も多かった。制度の課題調査では、導入期にリンクナースとして活動する役割を十分認識していなかったものが半数以上であった。また、受講動機は、自己研鑽が6 割で、リンクナース活動のための人はいなかった。しかし、リンクナース活動に対して、3 割の人が興味はあるとの回答であった。学習期は9 割以上が適切であるとの回答で、実践期では、リンクナース活動の明確化が十分でないという意見が7 割以上みられた。【考察】活動状況では、技術指導や患者に寄り添うなどの看護実践はできているものの、生活指導や変化ステージに沿ったケアまでには至れていない現状があった。リンクナース活動については、実践できる機会がないという理由で8 割が活動できていなかった。そのため、今後は事例検討会やシミュレーション教育などを用い、実践する機会を意図的に設ける必要性が示唆された。また、制度の課題調査では、受講動機などの調査結果から、導入期の育成側の役割期待と受講者側の役割認識に差があることが抽出された。実践期では、リンクナースの活動の明確化を図ることが課題であり、同時に受講者のレディネスに応じた段階的な教育ができる環境を整えることが必要であると考えられた。