第53回(2022年度)日本看護学会学術集会 幕張

講演情報

ポスター

ポスター18群 セルフケア能力向上への支援

2022年11月9日(水) 09:30 〜 10:30 ポスター会場 (国際展示場)

座長:三木 幸代

[ポスターM-18-5] B 病棟の看護師による心不全療養指導の現状

-知識の自己認識を調査し、指導力向上のための方法を検討する-

福岡 美和子, 平山 カティア, 池田 羽位, 半田 和恵, 伊奈 麻子, 薬袋 知子, 松本 結希, 高田 翔 (公立阿伎留医療センター)

キーワード:心不全療養指導、患者指導、患者教育、混合病棟、学習支援

【抄録】
【目的】A 病院B 病棟は、心不全患者の入院が年間130 件前後である。混合病棟という特性上、看護師が心不全療養指導に精通していない。そこで、心不全療養指導に関連した知識及びスキル不足の把握を目的に本調査を実施した。本調査結果は、看護師による療養指導の質の向上の検討資料とする。【方法】2021 年10 月の時点で1 年以上B 病棟に勤務する師長を除く看護師17 人と、同年4 月からB 病棟に配属となった新人看護師4 人、計21 人を対象に、療養指導に必要な知識16 項目とスキル13 項目について、「十分ある(4 点)」から「あまりない(1 点)」のリッカート回答形式で、匿名留置式アンケートを実施した。研究概要、回答協力の自由、回答者の非特定性を記した研究依頼書を配布し、同意下で回答を依頼した。本研究はA病院倫理委員会の承認を得て実施した。【結果】18 人の協力同意が得られ、回答を回収できた(回収率85.7%)。そのうち有効回答は17 人であった。知識不足の自覚が多かった項目は、退院後の社会資源: 平均値3.4 ±SD 0.7、心不全の手術等: 平均値3.6 ± SD 0.6 薬物療法: 平均値2.9 ± SD 0.7、ステージ分類: 平均値2.8 ± SD 0.9、基礎疾患:平均値2.5 ± SD 0.8、定義・症状: 平均値2.4 ± SD 0.8 であった。スキル不足の自覚が多かった項目は、禁煙指導: 平均値2.9 ± SD 0.7、身体活動及び運動に関する指導: 平均値2.9 ±SD 0.8、ワクチン接種: 平均値2.9 ± SD 0.7 であり、何らかのスキル不足を自覚する看護師が47.1%であった。心不全療養指導に関する学習経験の有無による知識とスキルの比較を行った結果、学習経験がある8 人の知識平均値2.7 ± SD 0.8、スキル平均2.5 ± SD 0.8、学習経験がない9 人の知識平均値1.9 ± SD 0.8、スキル平均値2.1 ± SD 0.8 であった。学習経験がある8 名は知識を有する傾向があった(p < 0.001)。【考察】実施する療養指導が多岐にわたる混合病棟において、全看護師が知識やスキルに自信を持って心不全療養指導を実施することを目指し、本調査結果を踏まえて、退院後の社会資源、心不全の病態・手術・薬物療法等についての知識の補完と、禁煙や活動・運動に関する指導技術向上を目的とした相互学習等を院内研修で企画したいと考える。