第53回(2022年度)日本看護学会学術集会 幕張

講演情報

ポスター

ポスター2群 新型コロナウイルス感染症下の看護~看護職の心理①~

2022年11月8日(火) 11:30 〜 12:30 ポスター会場 (国際展示場)

座長:増渕 美恵子

[ポスターM-2-3] 新型コロナウイルス感染流行禍における中堅看護師の自ら学ぶ意欲の現状

-看護師の自ら学ぶ意欲の評定尺度を使用して-

登 麗奈, 丸岡 恵美 (公立能登総合病院)

キーワード:中堅看護師、自ら学ぶ意欲、新型コロナウイルス感染症

【抄録】
【目的】新型コロナウイルス感染症流行による環境の変化で、中堅看護師が学習意欲を持ち働き続けるために看護師の自ら学ぶ意欲の現状を明らかにする。【方法】看護師経験11 年以上の女性看護師を対象とし2021 年9 月に調査研究を実施した。調査票は独自に作成したコロナ禍での研修・学習環境と、先行研究で信頼性・妥当性が確認された看護師の自ら学ぶ意欲の評定尺度とした。平均得点と標準偏差値を算定した。A病院の倫理審査委員会の承認を得て実施した。匿名性保持のため無記名の自記式質問用紙を配布し、閲覧不可能な回収袋にて回収を行い回答にて同意を得た。【結果】研究対象者は84 名で81 名を分析対象とした(回収率85.7%、有効回答率96.4%)。平均年齢は42 ± 6.2 歳、看護師経験平均年数は20± 6.4 年。〈コロナ禍の日常業務〉は「増えた」46 名(56.8%)、〈オンライン研修受講のしやすさ〉は「非常にいい」10 名(12.3%)、「良い」37 名(37.5%)、〈オンライン研修受講による自分に使える時間〉は「増えた」45 名(55.6%)、〈費用について〉は「減った」16 名(19.8%)「どちらでもない」55 名(67.9%)であった。中堅看護師の自ら学ぶ意欲の総得点の平均得点は82.2 ± 13.8 点であった。各因子の平均得点と標準偏差値は第1 因子(看護の学習が楽しい)が35.7 ± 5.7 点、第2 因子(認められたい気持ち)が15.2 ± 2.9 点、第3 因子(充実感と挑戦)が17.5 ± 3.9 点、第4 因子(自ら学ぶ行動)が13.6 ± 3.6点であった。項目別では、いつも看護についての最新の情報を得たい(4.2 点)、看護師としての知識を⾼めたい(4.4 点)の得点が高かった。【考察】コロナ禍前の中堅看護師の自ら学ぶ意欲は調査していないため、コロナ禍と比較し得点の平均得点が低いと言い切れないが、先行研究よりは低下していた。約5 割以上の中堅看護師が〈コロナ禍の日常業務〉も増えたと感じているため、自ら学ぶ意欲は低下したと考える。コロナ禍でオンライン研修が増え、遠方の研修も自宅で受講でき移動時間を節約等、自ら学ぶ行動がしやすく学ぶ意欲が保持されたと考える。項目別はコロナ禍という危機的状況の中でも中堅看護師は、専門職として責任・誇りをもち新しい知識を得るため得点が高くなったと考える。