第53回(2022年度)日本看護学会学術集会 幕張

Presentation information

ポスター

ポスター20群 看護管理~労務管理~

Wed. Nov 9, 2022 9:30 AM - 10:30 AM ポスター会場 (国際展示場)

座長:竹井 しのぶ

[ポスターM-20-1] 育児休業から復帰した看護師への支援

- A 県内急性期病院における質問紙調査の結果から-

鈴木 康予 (豊橋市民病院)

Keywords:育児休業、復帰看護師、就業継続

【抄録】
【目的】育休から復帰した看護師が就業継続に繋がるための支援を、量的分析と自由記述のテキストデータを通して明らかにする.【方法】対象施設は無作為抽出で選出したA 県内の500 床以上を有す急性期病院とした. 対象者は第1子を出産し育児休業を取得後、現在就業している看護師で年齢・経験年数は問わないとした. 回答者の基本属性と就業復帰の理由、子育て支援者、育児休業復帰後の配置転換の有無、勤務継続意思、WLB に関する調査票の統計処理にはExcel を使用し分析は記述統計量を算出した.「仕事と育児を両立しながら今後も仕事を続けていくための課題や困難、要求するもの」について自由記載とした。文章は意味内容を変えないようにコードを抽出し類似しているものを集め、サブカテゴリにまとめカテゴリを決定した.本研究はA 施設の臨床研究審査委員会の承諾を得た(承認番号524)【結果】23 施設268名に送付し175 名から回答を得た(有効回答率84%).平均年齢33.9 歳,勤続年数平均10.1 年、育休取得期間14.65 ヶ月.復帰理由は経済的理由67.3%、主な子育て支援者は夫89.1%、実母51.0% であった.施設内託児所は98% が所有,復帰後46.9% が配置転換していたが、63.3% が就業継続を希望していた.自由記載は8 つのカテゴリに整理し,カテゴリ【】サブカテゴリ〔〕コード()で表示する.【施設内保育所の厳しい規約】では〔厳しい利用時間制限〕があり【年齢制限のある子育て支援制度】は〔子どもが3 歳になると無くなる時短制度〕であった.【子育て支援制度改革への要望】に〔就学と同時に夜勤開始のため退職を考える〕で,(夜勤をすると子供が一人になってしまうため辞めなければならない)とあった.【看護師としてのキャリアアップ】には〔研修やキャリアアップへの学習時間の不足〕〔仕事と子育ての両立で揺れ動くキャリア〕であった.【考察】対象者はある程度キャリアを積んでからの結婚出産であり,主に実母と夫からサポートを受けていた。施設内の託児所は利用制限が厳しく使いづらさが伺え、子育てと仕事を両立するためには公的支援制度の改善が望まれる. 子供の就学と同時に夜勤開始とされ,サポートが無ければ就業継続は困難である.離職防止の検討が要求される.子育てによる学習不足はキャリアの停滞と受け取っており,看護職を誇りに思える教育支援が必要である.