第53回(2022年度)日本看護学会学術集会 幕張

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ポスター

ポスター20群 看護管理~労務管理~

Wed. Nov 9, 2022 9:30 AM - 10:30 AM ポスター会場 (国際展示場)

座長:竹井 しのぶ

[ポスターM-20-2] A 急性期病院に勤務する看護師の職務満足度への実態調査

-看護職の傾向と組織的介入の一考察-

永江 明香里, 折田 紋奈, 山下 彩納, 横手 三喜子, 福元 京子 (鹿児島医療センター)

Keywords:職務満足度、看護の質、急性期病院

【抄録】
【目的】A 急性期病院に勤務する看護師の職務満足度の実態を調査し、看護の質を高めるためにどのような働きかけが必要か検討する。【方法】令和3 年3 月末までにA 急性期病院に勤務し、了承を得られた各病棟師長を除く病棟看護師を対象とし、撫養らが開発した職務満足測定尺度の質問紙の使用許可を得たため、本研究にて質問紙として使用する。この尺度は第一因子「仕事に対する肯定的感情」11 項目、第二因子「上司からの適切な支援」6 項目、第三因子「職場で自らの存在意義」6 項目、第四因子「働きやすい労働環境」5 項目の合計28 項目で構成されており、いずれも5 段階評価を行い、得点が高い項目ほど職務満足が高い要因と評価した。【結果】臨床経験年数1 ~ 2 年目の看護師の職務満足度は、「仕事に対する肯定的感情」「上司からの適切な支援」「はたらきやすい労働環境」において他の年代と比較して有意に高く、特に10 ~ 19 年目である30 歳代看護師との有意差が大きかった。臨床経験年数3~5年目である看護師は、1 ~ 2 年目である看護師と比べて平均点が低いことから、職務満足を得られにくいと感じていることがわかった。40 歳代以上の看護師は新人看護師に次いで職務満足度は高かった。病棟異動者は、新人看護師よりも「仕事に対する肯定的感情」が低いことが明らかになった。【考察】臨床経験年数1 ~ 2 年目の看護師は成長を感じやすい時期であるため、職務満足度が高くなったと考えられる。3 ~ 5 年目の看護師は、プリセプターや委員会など、看護以外の業務も担うため、相談しやすい環境下で多重課題に応じた支援が必要となる。30 歳代の看護師は、中堅看護師としてリーダーシップを発揮する時期であるとともに、結婚、子育てなど、私生活の変化が伴ってくる時期であるため、個々が望むキャリア形成につながる様々な選択肢を提案することが重要である。40 歳代以上の看護師は仕事を人生の一部として捉える時期であり、他者の役に立つことができているのか探究しながら一人の人間としての自己概念を完全なるものに形成していく年代であると考えられるため、自己に価値観を認め合うことが重要である。病棟異動者はストレスが大きく、仕事に対する肯定的感情は認識しづらいが、知識技術の習得に向けた支援や精神的フォローを行うことで、職場への適応を促進し自己肯定感を高めることにつながると考える。