第53回(2022年度)日本看護学会学術集会 幕張

講演情報

ポスター

ポスター20群 看護管理~労務管理~

2022年11月9日(水) 09:30 〜 10:30 ポスター会場 (国際展示場)

座長:竹井 しのぶ

[ポスターM-20-3] 未就学児を育てながら夜勤をしている看護師の職務満足度調査

鈴木 彩, 菅野 綾子, 髙島 みゆき (岩手医科大学附属病院)

キーワード:未就学児、職務満足度、育児、夜勤

【抄録】
【目的】未就学児を育てながら夜勤をしている看護師が職務を継続するための職務満足度の実態を明らかにする。【方法】1)対象: 調査期間内にA 病院に勤務する未就学児を育てながら夜勤をしているフルタイム勤務の看護師96 名。2)調査期間:2021 年4 月26 日~ 5 月24 日3)方法:日本看護協会が作成した、自施設のWLB 実現度を把握・分析する「看護職のWLB インデックス調査票」の内容を参考にし、選択式回答項目と自由記載欄を設けた独自の自記式質問紙による調査を実施した。倫理的配慮として、対象者へ書面で研究概要を説明し研究協力を断っても不利益が生じないことを伝え、自由意思により回答してもらい、質問紙の投函をもって同意とした。また得られたデータは匿名化し個人が特定できないように配慮した。4)分析: 選択式回答項目は単純集計した。自由記載項目は、得られた回答をコード化し、カテゴリー、サブカテゴリーに分類した。【結果】回収率は69.7%、有効回答率は56.3%であった。職務満足度に関しては「有給休暇を取得できる:72.2%」と「自分の能力を生かせる仕事である:72.2%」が最も高く、次いで「上司は適切な支援やアドバイスをしている:70.4%」であった。最も低かったのは「ライフスタイルに合わせた勤務時間の変更:14.8%」で、次いで「WLB が取れている:16.7%」、「現在の働き方に満足している:18.5%」であった。希望する育児制度に関しては、カテゴリーとして〈多様な勤務形態の充実〉〈子の年齢制限を問わない制度の導入〉〈子に関する休暇取得の充実〉〈子育て優先のキャリアアップ〉〈子育て看護師の承認欲求〉の6 つが抽出された。【考察】未就学児を育てながら夜勤をしている看護師の職務満足度は、休暇取得、上司の支援に関する項目が高く、上司からの支援を受けながら必要に応じて育児休暇が取得できていると考えられた。一方で看護職を自分の能力が生かせる仕事だと感じながらも、現在の働き方には満足していなかった。多くの看護師が自分の仕事に誇りを持ち、家庭と仕事を両立させるためには、休暇取得や上司の支援だけではなく、病院組織として多様性に応じた勤務体制が整備される必要があると考える。今回は院内限定での調査であり、今後は育児中の看護師が職務継続ができるように、検討を重ねていきたいと考える。