第53回(2022年度)日本看護学会学術集会 幕張

講演情報

ポスター

ポスター22群 安全・安楽への支援①

2022年11月9日(水) 12:40 〜 13:40 ポスター会場 (国際展示場)

座長:宮﨑 貴子

[ポスターM-22-1] 褥瘡ケアサマリーを用いた退院先チームとの連携

大山 瞳 (ひたちなか総合病院)

キーワード:地域連携、在宅ケア、褥瘡ケア

【抄録】
【目的】A 病院は地域医療支援病院、地域がん診療連携拠点病院として地域の医療機関と連携し、専門性に特化した医療を提供している。患者は入院時点で褥瘡ハイリスク状態の方が多く、すでに褥瘡を有する場合や、褥瘡を有して退院することもある。地域に唯一の皮膚・排泄ケア特定認定看護師として、退院先と褥瘡ケアで連携している。今回、紹介元病院に退院する際、褥瘡の情報がなかったため褥瘡を診察する医師がいなく、患者・家族と退院先チームを困惑させてしまった事例があった。そこで、地域連携の目的で皮膚・排泄ケア認定看護師が褥瘡ケアサマリーを作成、運用したので報告する。【方法】対象 期間中にA 施設から褥瘡を有して退院した患者期間 20XX 年4 月から20XX 年9 月 6 か月間内容1褥瘡ケアサマリー作成2、褥瘡ケアサマリーの運用3 褥瘡を有して退院した患者の診療情報提供書中、褥瘡情報記載の割合4 褥瘡を有して退院した患者に褥瘡ケアサマリー記載の割合 倫理的配慮 本演題発表に関して、A 施設倫理委員会において承認を受けている。【結果】褥瘡ケアサマリーの内容は、褥瘡の評価、発生の経緯、入院中のケア方法、褥瘡の治癒過程、今後の予測、退院後の対応について記載した。局所ケアはもとより、除圧が重要であることを伝わるようにした。運用は、各病棟の退院支援看護師から皮膚・排泄ケア認定看護師に連絡し作成、診療情報提供書とともに転院先に情報提供した。褥瘡を有して退院した患者は38 名で担当医変更がなかった患者3 名を除く35 名に診療情報提供書が発行された。35 名中褥瘡の記載は0 で、褥瘡ケアサマリー発行時点で記載がないことを確認し、医師に追記を依頼し全員褥瘡の情報が伝達できた。褥瘡ケアサマリー記載は21 件で、記載依頼がなかった17 件の内訳は、持続する発赤で局所処置がなかったものであった。スキンテアや潰瘍での記載依頼も6 件あった。【考察】真皮損傷以上の褥瘡を有する患者に対して、褥瘡ケアサマリーが作成できた。診療情報提供書中に褥瘡記載がないことを確認し追記したことは、地域連携の一助になったと考える。持続する発赤は局所処置がないことから、依頼がなかったと考えられる。退院後の対応として、退院先施設の相談に応じること、皮膚・排泄ケア認定看護師の訪問も可能であることを示し、3 例に対して退院先チームと連携した。