第53回(2022年度)日本看護学会学術集会 幕張

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ポスター

ポスター22群 安全・安楽への支援①

Wed. Nov 9, 2022 12:40 PM - 1:40 PM ポスター会場 (国際展示場)

座長:宮﨑 貴子

[ポスターM-22-2] 尿路ストーマ造設患者へのインタビューと看護師への意識調査から明らかになった退院指導のあり方

斎藤 菜摘, 丸山 薫, 山田 美智恵, 笠原 洋子, 五十嵐 陽早枝, 河﨑 綾 (春日部市立医療センター)

Keywords:ストーマケア、事例検討、退院指導

【抄録】
【目的】1. 尿路変向術を受けた患者への退院指導の実態を明らかにする。2. 尿路ストーマ造設患者から退院後の生活状況をインタビューし、看護師の指導の不足点を明らかにする。【方法】1. 期間:20XX 年7 ~ 10 月2. 対象:A 病棟2 年目以上の看護師23 名、20XX 年に尿路変向術を受けた患者2 名3. 研究方法:1)看護師に対し尿路変向術を受けた患者への退院指導の実態をアンケート調査。内容は退院指導経験の有無、日常生活への指導11 項目の内容と理由、退院指導で困ったことについて。回答方法は該当箇所選択と自由記載。2)尿路変向術を受けた患者に対し退院後の生活状況についてストーマ外来でインタビューを実施。4. 分析方法:(1)単純集計(2)複線経路・等至性モデル分析5. 倫理的配慮:本研究の目的以外で個人データとして特定されないこと、参加は自由意志によることを説明し、用紙の提出をもって同意を得た。【結果】1. 尿路ストーマ造設患者への退院指導を行ったことがある看護師は15 名(65%)、退院指導を行ったことがない看護師は8 名(35%)。ストーマケア関連項目の回答数は多かったが、スポーツ、災害への備え、社会的サポートの項目が少なかった。指導経験のない看護師からは「ストーマ装具交換ができることをメインに考えていた」等の回答があった。2.A 氏は独居で身寄りのない60 歳代男性、B 氏は夫と二人暮らしで夫ともにストーマケアへの指導を受けた80 歳代女性。どちらも入院前の日常生活動作(以下ADL)は自立しており、入院中にストーマケアを習得して退院した。退院後A 氏は継続してケアを行えていたが、B 氏はストーマケアだけでなくセルフケアも夫に依存してしまい、外出もできずADL が低下してしまった。【考察】1. ストーマ管理に直結した日常生活に対する項目については半数以上の看護師が指導を行っていたが、自立後の生活を見据えた指導や社会的サポートの指導が不十分だった。退院指導経験のない看護師はストーマケア指導を優先する傾向にある。2.A 氏は退院後も独居のためストーマケア自立しADL も拡大したがB 氏は家族の協力が得られたため依存してしまい、ADL も低下してしまった。親密な家族は本人のセルフケア獲得の阻害要因にもなり得る。社会復帰にはストーマケアの自立だけではなく、自立した先の生活を見据えた指導も重要である。