第53回(2022年度)日本看護学会学術集会 幕張

講演情報

ポスター

ポスター23群 看護管理~看護提供体制~

2022年11月9日(水) 12:40 〜 13:40 ポスター会場 (国際展示場)

座長:春木 邦惠

[ポスターM-23-1] 急性期病棟におけるプライマリーナーシング制の定着に向けた取り組みによる看護師の意識の変化

福永 尚美, 吉田 千恵子, 西島 英子 (日本鋼管福山病院)

キーワード:看護方式、看護師の役割意識、カンファレンス

【抄録】
【目的】A 病棟はプライマリーナーシング制の看護方式を導入しているが、急性期病棟のため受持ち患者と関わる機会が少ないことや、患者の状態を病棟全体で把握する機会がなく継続した看護ケアができない現状がある。そこで、プライマリーナース(以下プライマリーと称す)の役割を明確にし、プライマリーナーシング制の定着を図り、定期カンファレンスを行うことで患者情報や看護方法を共有する事にした。プライマリーナースとしての意識の変化からこの取組みの効果を明らかにする。【方法】対象:A 病棟看護師23 名。期間:202X 年Y 月~ Z 月。取組み前後にプライマリーナーシングの認知度、実践状況、カンファレンスについて、独自に考案したリッカート式4 検法と自由記述のアンケートを実施した。分析方法:単純集計(%)。取組み内容:1.プライマリーナーシングの目的、方法について勉強会 2.受持ち画面変更、プライマリー一覧表作成 3.プライマリーの選定方法変更 4.役割の明確化(挨拶・日勤帯の受持ち・看護計画立案と評価・退院要約作成・退院指導) 5.プライマリーによるカンファレンス実施(週1 回、独自に作成したシートにより情報共有を図る)。日本鋼管福山病院倫理審査委員会の承認を得た。【結果】アンケート回収率:前後100%。「自己紹介を毎回している」前24%後96%、「日々の挨拶をしている」前24%後78%、「退院要約を毎回記入している」前20%後82%、「看護計画の立案や見直しを毎回している」前0%後86%であった。「受け持ちとしての意識を持つようになった」「日々の変化と問題点が見えやすい」「責任感が増した」「充実感がある」という意見があった。カンファレンスを行ったことで患者との関わりが「変わった」39%、「少し変わった」52%となり、「皆で同じ方向で看護をしていくという意識ができた」「情報共有により関わりが統一できた」と言う意見があった。【考察】プライマリーの役割を明確にしたことで、担当患者と関わる機会が増え、患者のニーズや日々の変化に気が付きやすくなった。このことはA 病棟のプライマリー制定着と、個々の看護師の役割意識向上に繋がったと考える。カンファレンスを行うことで、情報共有と看護の統一ができた。効果的にケアが行えるようになったことで達成感や充実感を得ることができた。