第53回(2022年度)日本看護学会学術集会 幕張

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ポスター

ポスター23群 看護管理~看護提供体制~

Wed. Nov 9, 2022 12:40 PM - 1:40 PM ポスター会場 (国際展示場)

座長:春木 邦惠

[ポスターM-23-4] 看護実践における看護師の自信獲得に繫がる要因の明確化

樋山 寛美1, 藤原 大樹1, 宮野 知慧1, 片山 由加里2, 萩本 明子2 (1.枚方公済病院, 2.同志社女子大学看護学部)

Keywords:循環器内科、血液内科、自信、やりがい

【抄録】
【目的】A 病棟は血液内科(血内)と循環器内科(循内)の混合病棟であり、両科とも患者へ生活改善・知識取得に向けた支援を行っている。しかし、看護師からは血内の患者への看護に自信がないという意見がある。本研究では、看護師の自信獲得に繫がる要因と課題を明確にすることを目的とした。【方法】2020 年10 月~ 2021 年3 月、A 病棟看護師17名を対象にインタビューガイドを用いて、血内と循内での看護について、やりがいと感じていること(やりがい)、困難と感じていること(困難)、看護を行う上での自信(0 ~100%)(自信)について半構成的面接法を行った。やりがいと困難は、逐語録を作成し、科別にやりがいと困難に関わる文節を抽出、カテゴリーを作成した。自信は、単純集計し比較した。本研究はA 病院の倫理委員会の承認を得て実施した(承認番号:2020-034)。【結果】看護師経験年数は平均11 年(2 ~ 27 年)であった。自信が50%以上あると回答した割合は、血内47%、循内82%であった。カテゴリーでは、血内のやりがいは〈生活・退院指導ができた〉などの指導面と〈アセスメントができた〉などの知識面に、困難では〈知識が足らない〉〈判断できなかった〉などの知識面と、〈個別性が高く対応が難しい〉などの指導面に分類された。循内のやりがいは〈指導が患者の理解や行動変容に繋がった〉などの指導面と〈患者の回復の実感や患者や家族に合わせた関わりができた〉などの患者との関わりに、困難では〈指導の結果が得られなかった〉などの指導面に分類された。【考察】血内は循内に比較し自信が低かった。抽出したカテゴリーでは、循内が患者の回復や行動変容という患者要因で構成されていたのに対し、血内では、看護師の知識などの看護師要因で構成されており、知識の習得や個別性への対応に困難を抱え、自信に繋がらない状況が推測された。その背景をみると、循内では、クリティカルパスによる標準化やパンフレットの活用等、既存資料を活用できる状況であった。しかし、血内では、患者の個別性がより高く標準化が困難であり、患者毎に必要な知識や判断を身に付ける必要があり、自信の低さや困難に繋がっていると考えられた。両科ともやりがいと困難のカテゴリーは同様の視点で構成されており、困難を克服し結果に繋げることがやりがい、ひいては自信の向上に繋がると推察された。