第53回(2022年度)日本看護学会学術集会 幕張

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ポスター

ポスター23群 看護管理~看護提供体制~

Wed. Nov 9, 2022 12:40 PM - 1:40 PM ポスター会場 (国際展示場)

座長:春木 邦惠

[ポスターM-23-6] 救命救急センターの病床選択における看護師の意識

-医師・看護師がオープンフロアまたは個室を選択する際のアセスメントの特徴-

覚内 志歩, 宮下 香奈子 (公立能登総合病院)

Keywords:オープンフロア、個室、病床選択

【抄録】
【目的】A 病院救命救急センターに重症患者が入院する際は、医師・看護師がオープンフロアまたは個室を選択している。救命救急センターの病床選択に関するガイドラインは見当たらず、特別な基準は設けていない。患者の視点での病床選択が重要だと考えていたが、看護の必要性を重視して病床選択を行う場合があると感じた。今回、オープンフロアまたは個室の病床選択における看護師のアセスメントの特徴を明らかにする。【方法】所属施設の倫理審査会の規程に沿って審査を受け、承認を得て研究を開始した。2021 年10 月5 日~10 月20 日の期間、研究対象者はA 病院救命救急センターに3 年以上従事する看護師・医師。看護師の意識調査と比較するために、医師も調査対象に含めた。独自に作成したインタビューガイドを使用し、半構成的面接法を用いた。データの分析は質的帰納的手順に沿って分析し、意味内容の類似性に従ってコード化し、サブカテゴリー、カテゴリーの順に抽出した。【結果】看護師6 名(看護師経験年数13.6 ± 4.66 年、救命救急センター勤続年数5.78 ± 2.84 年)、医師5 名(A 病院救命救急センター勤務の合計年数5.5 ± 1.20 年)であった。病床選択におけるアセスメントの特徴について、237 のコード、11 のサブカテゴリー、4 のカテゴリーが抽出された。『重症患者の病態・治療とその過程におけるリスクを検討する』『看護師の観察・ケアのしやすさ』では、急変対応や、意識レベル・精神状態の変容、急性期特有の医療機器管理のために観察強化の必要性を意識し、主にオープンフロアでの視覚的・聴覚的な観察のしやすさを優先する場合があった。『療養環境への配慮』では、プライバシーの配慮や音・光の環境調整、治療上の安静保持、家族との時間を設ける必要性を優先し、個室を選択する場合があった。経験不足や患者情報の不足により『重症患者を受け持つ看護師の不安』があり、看護師の意思が病床選択に反映し、観察・ケアのしやすさを優先する場合があった。医師と看護師の差異として、医師はオープンフロアと個室で看護師の急変対応・観察頻度に差は感じていなかった。また、重症患者を受け持つ不安のコードは抽出されなかった。【考察】救命救急センターの看護師はプライバシーへの配慮や病状に応じた病床選択を行うが、重症患者の救命や治療とその安全性を重視する場合や重症患者を受け持つ不安を感じている場合には、看護師の視点で病床選択を優先させることがあった。