第53回(2022年度)日本看護学会学術集会 幕張

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ポスター

ポスター25群 患者の回復と生活の質の改善に向けた看護①

Wed. Nov 9, 2022 12:40 PM - 1:40 PM ポスター会場 (国際展示場)

座長:大柴 幸子

[ポスターM-25-4] 神経精神科病棟における認知症ケアの実践状況

-自己効力感、看護実践の卓越性の関連から-

竹内 雅代1, 北川 絵美1, 追本 歩1, 柴田 久美1, 蛯名 昴大2 (1.かみいち総合病院, 2.金沢大学大学院医薬保健学総合研究科)

Keywords:認知症ケア、自己効力感、看護実践の卓越性

【抄録】
【目的】A 病棟における認知症ケアの実践状況と、基本属性、自己効力感、看護実践の卓越性との関連を明らかにすることを目的とした。【方法】A 病棟看護師全員を対象とし、質問紙調査を行った。調査内容は、基本属性を年齢、性別、看護師経験年数、A 病棟経験年数とし、認知症ケアの実践状況の評価として「看護職版認知症ケア尺度」、自己効力感の評価として「特発的自己効力感尺度」、看護実践の卓越性の評価として「看護実践の卓越性自己評価尺度- 病棟看護師用-」を使用した。解析方法は、認知症ケアの実践状況に性差があるか否かを対応のないT 検定、認知症ケアの実践状況、自己効力感および看護実践の卓越性との関連は、Pearson 相関解析を使用した。統計解析には、SPSSver.27 を用いた。なお本研究は、かみいち総合病院倫理委員会の承認を得て実施した(承認番号:7-20210720)。【結果】有効回答率は100%であった。平均年齢38.8 ± 8.8 歳、女性50%、看護師経験年数13.6 ± 9.2 年、A 病棟経験年数2.6 ± 2.7 年であった。「看護職版認知症ケア尺度」の5 段階評価は、5(非常に実践している)が16%、4(まあ実践している)が44%、3(普通)が28%、2(それほど実践していない)が9%、1(全く実践していない)が3% であった。認知症ケアの実践と年齢(r=-0.042.p=0.852)、性別(t=0.32.p=0.48)、看護師経験年数(r=-0.090.p=0.689)、A 病棟経験年数(r=0.279.p=0.209)に有意な相関関係はなかった。またA 病棟経験年数のみ非正規性が認められたため、Spearman 順位相関係数を用いた。認知症ケアの実践と自己効力感(r=0.761.p<0.001)、認知症ケアの実践と看護実践の卓越性(r=0.768.p<0.001)、自己効力感と看護実践の卓越性(r=0.725.p<0.001)に有意な相関関連が認められた。【考察】A 病棟の認知症ケアの実践状況は高く、自己効力感と認知症ケアの実践および看護実践の卓越性に関連が認められた。これらのことから認知症ケアの実践には、年齢や性別、看護師経験年数ではなく、高い自己効力感が、認知症ケアの実践や看護実践の高さに関連する要因である可能性が示唆された。今後これらの因果関係を明らかにするためには、縦断的検討が必要である。