第53回(2022年度)日本看護学会学術集会 幕張

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ポスター

ポスター28群 患者の回復と生活の質の改善に向けた看護②

Wed. Nov 9, 2022 2:00 PM - 3:00 PM ポスター会場 (国際展示場)

座長:栂野 加寿枝

[ポスターM-28-3] ICU における身体抑制のアルゴリズム作成 第一報

土井田 貴志, 山口 千春, 堀 知恵, 廣瀬 真弓 (一宮西病院)

Keywords:ICU、アルゴリズム、身体抑制

【抄録】
【目的】2000 年介護保険法の身体抑制禁止から、縛らない看護・介護を打ち立てているが、ICU では生命維持を優先する故、未だ身体抑制を行う場面がある。ICU 看護実践現場の身体抑制率は入室患者の30%を占めており、不必要な身体抑制を減らすため、アルゴリズムの作成を試みたのでその取り組み過程を報告する。【方法】1. 研修期間:2020 年4 月1 日~ 2021年11 月30 日。2. 研究対象:ICU 入室中の患者の身体抑制に関わる看護記録。3. データ収集方法: 2020 年5 月に入室した患者の身体抑制に関する看護記録1 か月分。4. 分析方法:1)看護記録を意味ごとのワードに分け、カテゴリに分類した。2)カテゴリを基に身体抑制の判断の優先順位を決め、アルゴリズムを作成した。尚、分析・検討過程は厳密性を高めるために、看護管理学を専門とし質的研究の経験が豊富な管理者および集中ケア認定看護師によるスーパーバイズを受け検討した。倫理的配慮:所属施設看護部倫理審査委員会の承認を得て実施した。匿名性に配慮し、調査目的以外には使用せず、得られたデータは研究終了後破棄した。【結果】1. 看護記録から観察や実践している内容をワード毎に分け、カテゴリに分類した結果、135 コード、16 サブカテゴリ、4 のカテゴリが抽出された。<せん妄・不穏促進因子を観察する>には「オペ後にせん妄なく経過」といった[ せん妄促進因子を観察する] 等6 つのサブカテゴリで構成された。他<身体抑制以外の方法で患者の行動・訴えに対処する><身体抑制の解除を判断する><身体抑制の時間・方法・部位を検討する>3 つのカテゴリで構成された。2.アルゴリズムの優先順位は、カテゴリの<せん妄・不穏促進因子を観察する>から必要な観察を進めた後、抑制の可否を判断し、その過程で<身体抑制以外の方法で患者の行動・訴えに対処する><身体抑制の時間・方法・部位を検討する><身体抑制の解除を判断する>の順に身体抑制の3 原則が含まれる内容を検討しており、この優先順にそれぞれのカテゴリを構成するサブカテゴリを用いてアルゴリズムを構成した。【考察】今回分析した記録では、観察項目と抑制の可否までは明確にできたが、抑制以外の対処行動が不明瞭で研究に限界があった。今後現場で行っている看護実践を明確にし、アルゴリズムの対処行動の選択肢を発展的に修正する必要があると考える。