第53回(2022年度)日本看護学会学術集会 幕張

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ポスター

ポスター3群 疾病とともに暮らすことへの支援①

Tue. Nov 8, 2022 11:30 AM - 12:30 PM ポスター会場 (国際展示場)

座長:永井 健太

[ポスターM-3-1] 放射線療法を用いた治療を受けた頭頸部がん患者の有害事象と回復過程に関する文献検討

岡本 聖子1, 大田 直美2, 永井 庸央2 (1.川崎医科大学総合医療センター, 2.川崎医療福祉大学)

Keywords:頭頸部がん、回復過程、有害事象、化学放射線療法

【抄録】
【目的】放射線療法または化学放射線療法、化学放射線同時併用療法(CCRT)を受けた頭頸部がん患者の、有害事象と回復過程について文献検討により明らかにする。【方法】医学中央雑誌Web(Ver.5)にて「頭頸部がん」「放射線治療(療法)」「化学放射線療法」「CCRT」「看護」「有害事象」「食(食事)」「回復過程」をキーワードとする検索を行い、2007 年~ 2018年に発表された研究論文を対象に、「有害事象」と「回復過程」に関する内容を読み取り、記述し検討した。【結果】検索の結果8 件の文献を抽出した。そのうち放射線療法または化学放射線療法を受けた患者を対象とした研究は4 件であり、治療中の有害事象に関する研究が1 件、治療に対する患者の心理状態に関する研究が1 件、治療後の食事に関する研究が2件であった。CCRT を受けた患者を対象とした研究は、治療中の有害事象に関する事例研究が1 件、治療後の嚥下機能の回復に関する研究が2 件、治療後の全身状態の経過に関する研究が1 件の計4 件であった。放射線療法を用いた治療後の有害事象は味覚障害や口腔内乾燥があり、それらが原因で患者は長期に食欲低下や嚥下困難を伴っていた。また、回復過程に関する研究では、嚥下機能は治療後6 か月たっても回復しておらず、1 年後にはやや改善するが、それ以降の回復はみられていない。【考察】頭頸部がんの治療後は、味覚障害や口腔内乾燥、嚥下機能の悪化が食生活に長期間影響を及ぼしていた。しかし部位やステージによって様々な治療法があるため、標準治療となっているCCRT に特化した調査はまだ少ない。よって今後は標準治療であるCCRT 後の患者を対象に、有害事象の経過や程度および回復過程を調査し、患者の食に関するQOL 向上のための看護支援への示唆を得る必要がある。