第53回(2022年度)日本看護学会学術集会 幕張

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ポスター

ポスター30群 安全・安楽への支援②

Wed. Nov 9, 2022 2:00 PM - 3:00 PM ポスター会場 (国際展示場)

座長:飛世 真理子

[ポスターM-30-2] 体圧測定を普及させて褥瘡対策に繋げたい

-がん患者にさらなる苦痛を与えないために-

幸田 幸世, 鈴木 佐季, 塚本 美加 (総合病院聖隷浜松病院)

Keywords:がん患者、体圧測定、褥瘡、苦痛の緩和

【抄録】
【目的】A 病棟は終末期の段階に移行する患者が多く、褥瘡が発生すると患者の苦痛は増大する。患者にさらなる苦痛を与えない為にリスクアセスメントできる指標として、体圧測定実施率等を活用し、個別性に合わせた褥瘡対策を実践することで、患者にさらなる苦痛を与えない看護に繋げる。【方法】2018 年4 月から2020 年3 月のA 病棟に入院した褥瘡に関する危険因子を有する患者に週1回骨突出部の体圧測定を実施(以下体圧測定実施率)。毎月の褥瘡推定発生率、褥瘡のDESIGN-Rを抽出。体圧測定器の学習会開催と啓発活動、褥瘡予防カンファレンスを開催し、A 病棟の看護師29 名に、体圧測定が褥瘡予防に活用できているかをアンケート調査。得られたデータを調査。NANDA-NOC-NIC(以下NNN)立案・栄養サポートチーム(以下NST)介入への取り組みを調査。聖隷浜松病院臨床研究審査委員会の承認を得た上で個人が特定されないよう配慮した。【結果】2018 年度体圧測定実施率は月平均0%から44.4%に上昇、2019 年度は89.8%に上昇。褥瘡推定発生率の月平均は2018 年度1.3%から2019 年度は1%に減少。褥瘡発生時のDESIGN-RのD3 は、2018 年度2 件、2019 年度0 件。アンケート調査結果は、29 名中26 名の回答が得られた(回答率89%)。褥瘡予防カンファレンス開催前は、体圧測定値を褥瘡予防に活用していた看護師は32%、3 ヶ月後は46%に増加。2020 年度の褥瘡予防カンファレンスとNNN 立案は36.5%から2021 年度は38.6%に上昇。スモールチェンジ等の体位変換が出来、2021 年度は9 名の患者へNST や栄養士の介入に繋がった。【考察】2019 年度にD3 の褥瘡発生が0 件になった事から、体圧測定学習会や啓発活動により体圧測定は普及したと言える。体圧測定を行う事で褥瘡発生リスクアセスメントが感覚的に行っていたものが、可視化された指標の一つになった。また、褥瘡予防カンファレンスは、多職種が参加して開催できNST の介入依頼が即座に出来た事で、スタッフの意識が変化し個別性のあるNNN立案に繋がったと考える。また、NNN プラン内容である患者に合わせた体位変換方法を申し送り時に共有された事で実際のケアに活かされ褥瘡推定発生率の低下に繋がり結果患者にさらなる苦痛を与えない看護を実践できた。