第53回(2022年度)日本看護学会学術集会 幕張

Presentation information

ポスター

ポスター31群 看護管理~質管理~

Wed. Nov 9, 2022 3:30 PM - 4:30 PM ポスター会場 (国際展示場)

座長:中村 くに子

[ポスターM-31-4] スタッフとの関りにおいて副主任が抱く思い

橘内 円, 榊原 佳奈, 木村 詩朗 (総合東京病院)

Keywords:スタッフとの関わり、コミュニケーション、副主任、プロセスレコード

【抄録】
【目的】A 病院は創立10 年の総合病院であり病棟編成を繰り返し、師長が2 病棟兼務して不在が多い。そのため、主任と副主任が管理者代行を行うことがあり、スタッフとの関りで悩むことが多くあった。その関わりの場面を振り返ることで副主任の抱く思いを明確にし、今後のスタッフとの関わり方への示唆を得ることを目的にした。【方法】研究対象者には口頭で説明し同意を得て実施した。期間:2021 年4 月1 日~ 9 月30 日、場所:A 病院A 病棟・B 病棟・C 病棟、対象:管理経験4 年目以下で研究協力の承諾が得られた副主任3 名。スタッフとの関わりで困難さを感じた場面を4 月・9 月にそれぞれ抽出しプロセスレコードを作成。それぞれのプロセスレコードで感じたことをそのまま抜き出し1 事例目・2 事例目に分けた。それぞれの事例で類似した要素を抽出し比較・検討を繰り返し、共通性を持つまとまりに分けて抽象的で簡潔な言葉に置き換え統合した。整理した内容を分析し副主任の抱く思いと時間経過での思いの変化について分析した。【結果】4 月の事例では<自信がない><スタッフとの関係性><時間的余裕がない><コミュニケーション不足>のカテゴリーが抽出された。9 月の事例では<役割の理解><コミュニケーション不足><事故のない業務><スタッフとの関係性><時間的余裕がない>のカテゴリーが抽出された。【考察】副主任は理論的・実践的知識ともに不十分な状態であることによりコミュニケーションに困難さを感じていると考えられる。自己の経験を積み重ねるとともに理論的知識を得ることでスタッフとの関わりを改善していけると考えられる。また上司とのコミュニケーションが足りないと感じており、上司との時間が合わない・上司の支援を受けづらい環境が副主任への役割移行を困難なものにしている一因であると考えられる。また4 月と9 月の事例を比較すると3 つのカテゴリーが共通しており、これらはサブカテゴリーも共通であることから、半年の時間経過を経ても副主任は困難を感じる状況を改善することができず同じ思いを抱き続けていたといえる。今後は自己の経験を積み重ねること、上司とのコミュニケーションを密に取ることでスタッフとの関わりにおける困難さを改善していけることが示唆された。