第53回(2022年度)日本看護学会学術集会 幕張

講演情報

ポスター

ポスター31群 看護管理~質管理~

2022年11月9日(水) 15:30 〜 16:30 ポスター会場 (国際展示場)

座長:中村 くに子

[ポスターM-31-5] 統一した所属長育成を試みて

-チェックリストを活用した指導でみえてきたもの-

近藤 唆世, 乕田 美幸 (名古屋徳洲会総合病院)

キーワード:所属長評価、チェックリスト、指導力

【抄録】
【目的】A 病院看護部は13 部署あるが師長は3 名であり、他は主任や副主任が所属長を担っている。所属長の役割を遂行するために管理チェックリストや業務マニュアルは作成されていたが、活用されておらず適宜先輩所属長がフォローをしながら実践しており、指導内容も統一されていなかった。また所属長の急な退職などにより、準備もままならない状況で所属長の役割を担わざるを得ない場合もあった。そのため2021 年臨時で所属長着任した主任・副主任2 名と4 月に着任した主任1 名に対し、管理チェックリストを活用し統一した育成を行うこととした。【方法】4 月に所属長マニュアルに沿って業務の説明・面談を行いながらチェックリスト評価を実施した。その後随時指導や面談を実施し、6 か月後に再度面談とチェックリスト評価を行った。さらに臨時で着任した2 名は随時指導を行っていたが、4 月に着任した1 名は全く経験がなかったため3 か月ごとの面談を追加し指導を行った。【結果】チェックリスト結果を点数化し比較した。着任時のチェック内容にバラつきはあったが、6 か月後のチェックでは4 月に着任した主任含め大差がなかった。また3 名とも「助言があればできる」と評価した項目は同じであり、労務管理面や職員の指導や育成に関する項目であった。【考察】着任時のチェックで1 名のみ「できる」項目が多かったのは、着任前から所属長が他部署との兼任であったために代行業務を行っていたためと考えられる。経験のない主任が6 か月後には他の2 名と大差ない点数になっていることから、管理者として行う業務に関しては短期で習得することが可能と考える。また助言が必要な項目については、発案力やコーチング・ファシリテーション力が弱く管理の考えを基本とした指導や経験も少ないため、適切な指導や評価・アドバイスができないのではないかと考えられる。個々の職員に対して適切な育成を行うことは重要であると考えるが、その指導力の部分での育成不足を感じた。今回の取り組みでチェックリストを活用したことは評価のブレが小さく統一した育成ができることで有効であったと考えるが、指導力や育成力を養うには方法論を身につけるだけでなく、数多くの経験値が必要となってくるため、所属長着任後すぐに発揮できるのものではない。そのため副主任・主任の頃から育成していくことの必要性を感じたため、今後のOJT につなげていきたい。