第53回(2022年度)日本看護学会学術集会 幕張

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ポスター

ポスター31群 看護管理~質管理~

Wed. Nov 9, 2022 3:30 PM - 4:30 PM ポスター会場 (国際展示場)

座長:中村 くに子

[ポスターM-31-6] 中堅看護師に対する管理者研修の効果

安楽 直美, 大脇 裕子 (宮崎県立日南病院)

Keywords:院内研修、中堅看護師、課題解決

【抄録】
【目的】将来、副看護師長を担う主査の職位にある看護師(以下、中堅看護師とする)を対象に管理者研修を行った。本研究は中堅看護師が研修を通して部署での課題解決に向けた取り組みを実践することで、どのような学びがあっだのか研修の効果を検証する。【方法】A 病院の看護師経験20 年以上の中堅看護師8 名に対し管理者研修を4 月に実施した。研修目標を「主査の役割を理解し組織の一員として部署の課題解決に取り組む」とし、研修後は各自が見出した課題に対して取り組み、12 月に実践報告会を実施した。実践報告後に無記名自記式アンケート調査を行った。アンケート内容から研修を通しての学びをカテゴリー化し分析した。期間: 令和3年4 月~ 12 月。倫理的配慮:アンケートは無記名とし個人が特定されないよう配慮した。対象者に口頭と文書で倫理的配慮について説明し同意を得た。【結果】研修を通して8 名全員が部署の課題を見出し、改善に取り組んだ。取り組み内容は物品管理に関する事が3 名、業務内容に関する事が5 名であった。研修の最終段階として、実践報告会で取り組みの成果を文章化し、さらに発表はパワーポイントを使用し可視化した。発表後に、看護部長からの講評の時間を設けた。研修後のアンケートは回収率100%。研修の満足度は8 名全員が満足と答えていた。自由記載内容から研修の学びをカテゴリー分類した結果、22 のコードから4 つのカテゴリー『課題に気づき取り組む』『人を動かす』『概念化して伝える』『改善への意欲』を導き出した。【考察】取り組み内容は業務改善に繋がる内容であった。実践報告までできた達成感、上司からの講評により自己の取り組みに対する承認を得たことが満足度に繋がったと考える。管理者研修を通して部署の『課題に気づき取り組む』為にPDCA サイクルを回し実践していた。看護管理を実践する中で『人を動かす』『概念化して伝える』ことは管理者として必要なスキルであると捉えていた。実践報告会で他者の取り組みを知り、自部署に活用したいという『改善への意欲』は中堅看護師の管理実践に対する内発的動機付けに繋がっている。中堅看護師への管理者研修は、管理者としての必要なスキルを学ぶ上で有効であったと考える。中堅看護師が管理的視点を持ち、管理実践を行うことで、質の高い看護提供に繋がる。