第53回(2022年度)日本看護学会学術集会 幕張

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ポスター

ポスター32群 リスクマネジメント②

Wed. Nov 9, 2022 3:30 PM - 4:30 PM ポスター会場 (国際展示場)

座長:森田 恵美子

[ポスターM-32-6] 在宅療養における内服間違いの起こりやすい因子の明確化

-在宅療養での正しい内服管理への指導の方向性を探る-

若本 幸恵1, 椀澤 千鶴子1, 江尻 けい子1, 上野 栄一2 (1.厚生連高岡病院, 2.奈良学園大学保健医療学部)

Keywords:在宅療養、内服間違い、因子

【抄録】
【目的】在宅療養での内服管理に向けて、内服間違いが起こる理由や原因に繋がりやすい因子を明らかにする【方法】2019 年4 月~ 2021 年5 月までの自己管理と1 日配薬での内服間違いが発生した25 例についてインシデントレポート、看護記録、内服アセスメントシート、地域カンファレンス記録、退院計画書から患者の特性や内服間違い発生時の状況を情報収集した。それらのデータを統計ソフトを使用してχ2検定 にて分析した。入院時に症例検討会使用の可否を確認できた患者の疾患名を伏せ、年齢を年代のみでカテゴライズし調査対象を特定できないように配慮した。また、病棟に研究内容やオプトアウトについて記した資料を掲示した。本研究は所属機関の倫理委員会の承認を得たうえで実施した。【結果】患者の年代は65 歳以上の高齢者が88%で、男性が44%、女性が56%であった。内服間違いのタイプは、飲み忘れ6 件、時間間違い14 件、量間違い4 件、不明1 件であった。入院後、内服薬の種類が増えた患者は72%であった。内服間違いのタイプとの関連性をχ ² 検定にて分析した結果、内服の種類が増えたことと飲み忘れは関連していた。当日の検査などスケジュールが3 つ以上あったケースは16%であり、スケジュールが多いことと飲み忘れは関連していた。内服間違いの時間帯は夕食頃が44%と他の時間帯より多かった。夕食頃の内服間違いは内服の時間間違い・量間違いと関連していた。しかし入院後の内服管理方法の変更や、環境の変化は内服間違いとの関連はなかった。また内服間違いの発見者は76%が看護師であった。【考察】内服の種類が増えたことと飲み忘れに関連があったことは既存の研究と同様の結果であった。スケジュールが多い場合と夕食頃の内服間違いとの関連については、日中の活動が終わって疲労感が生じていることが内服間違いとの誘因になると考える。1 日のスケジュールが多いと関心がそこに向き、普段の生活で行えていることが困難になると考える。以上のことより内服間違いにつながりやすい因子は1 日のスケジュールが多いこと、内服時間が夕食頃であった。特に高齢者の在宅療養中の内服について自己管理であっても家族が関われるように調整することで、より確実に正しく内服管理できるのではないかと考える。