第53回(2022年度)日本看護学会学術集会 幕張

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ポスター

ポスター33群 安全・安楽への支援③

Wed. Nov 9, 2022 3:30 PM - 4:30 PM ポスター会場 (国際展示場)

座長:殿谷 淳子

[ポスターM-33-5] 看護師の環境汚染に対する認識と実際の環境状況の相違をみる研究

松吉 博志, 大谷 直 (川口市立医療センター)

Keywords:環境汚染、環境整備、蛍光塗料、相違

【抄録】
【目的】看護師の環境整備に対する認識と、看護ケアで患者のベッド周囲や物品のどこに環境汚染が起きるかを調査し、両者の相違を明らかにする。【方法】研究対象はA 病棟看護師30 名。①看護師の環境整備に対する認識については、質問用紙調査(選択式、自由記載あり)にて調査を行い、環境整備している部位を集計する。質問用紙調査に関し、所属施設の倫理委員会の承認を得ている。また参加は自由であり、参加の可否により不利益を被ることが無いこと、本研究以外には使用せず、研究終了後には破棄することを文章で説明している。②看護ケアによって起きる環境汚染についてのデータ収集は、病棟看護師に蛍光塗料を付着させたプラスチックグローブを装着してもらい、患者(デモ機)に対し看護ケア(口腔ケア、おむつ交換、気管内吸引)を行ってもらった。蛍光塗料の付着部位を調査集計し、①質問用紙調査と②看護ケアによるデータ収集の結果を比較した。【結果】①質問用紙調査では、21 名より回答を得た。環境整備時に清拭している箇所の上位は、「ベッド柵」95.2%(20 名)、「床頭台」52.3%(11名)であり、その他ベッドリモコン、吸引瓶、輸液ポンプ、ベッドフレーム、点滴棒、ナースコール等患者のベッド周囲に配置している物品が対象となっていた。②看護ケアによるデータ収集の調査では、12 名の参加を得た。口腔ケアで触れている部位は、床頭台扉、ベッドリモコン、吸引瓶、病室の蛇口とって、コップ、歯ブラシ、歯磨き粉等のケア物品であった。おむつ交換では、床頭台、ベッド柵、ベッドリモコン、布団、体位変換用クッション、その他おしりふき、ボディーソープ、おむつ等であった。吸引のケアでは、吸引瓶、吸引用チューブ、吸引時に使用する物品のみであった。【考察】①の質問用紙調査の結果から、患者のベッド周囲を意識的に環境整備しているが、各ケアで使用する細かい物品(歯ブラシ、コップ、おしり拭き等)に関しては意見が出ていなく環境整備の対象としていないことが考えられる。②の看護ケアの調査では、各ケア実施時に必要な物品を中心に触れていることがわかった。以上より、ケア時に使用する細かな物品については環境整備の対象として認識できていないことが判明した。看護師の環境整備に対する認識と看護ケアによって起きる環境汚染のその間に相違が生じていることが明らかになった。