第53回(2022年度)日本看護学会学術集会 幕張

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ポスター

ポスター34群 看護教育~基礎教育~

Wed. Nov 9, 2022 3:30 PM - 4:30 PM ポスター会場 (国際展示場)

座長:髙𣘺 久美

[ポスターM-34-5] 20 歳以上の看護系大学生のがんに関する知識と予防行動の実際

齊田 菜穂子 (山口大学大学院医学系研究科)

Keywords:がんの知識、予防行動、大学生、生活習慣

【抄録】
【目的】国は、がんに罹患するリスクが増加しがん検診の対象となる年齢よりも早くにがん教育を行うことで、がん検診率の向上に繋げようとしている。そこで看護系大学生を対象にがんや検診に関する知識と予防行動の実際を明らかにすることを目的とした。【方法】A 大学看護学生20 歳以上220 名を対象にアンケートを行った。調査内容は対象者の属性(情報収集法等)5 項目、がんの知識37 項目、がん予防行動(生活習慣等)9 項目の計51 項目とした。分析は各項目を単純集計と身内のがんの有無で比較した。知識問題の正解を1 点とした。A 大学研究倫理審査委員会で承認後、対象者に研究の趣旨等を文書で説明し同意を得た。【結果】欠損のない195 名(回答率88.6%)を有効回答とした。女性181 名(92.8%)で、健康に関する情報はインターネットが最も多く176 名(90.3%)、身内にがん患者がいる人は161 名(82.6%)だった。予防行動の生活習慣の食では「普段から意識して野菜を摂取している」が108 名(54.6%)で、「2 週間中塩分を多く含む食品を食べる機会は1 回以下」は121 名(62.4%)だった。運動では普段から意識して運動している人は109 名(55.9%)で、そのうち歩行またはそれと同等以上の運動を1 日60 分以上は25 名(21.9%)だった。がん検診を受けたことがある人は35 名(17.9%)で、乳がんのセルフチェックをしたことがある人は36 名(18.5%)だった。1 ~ 2 年以内にがん検診を受けようと思っていたのは身内にがんがいる人のほうが多かった(p= 0.03)。がんとがん検診に対する知識は37 点満点で、最高点32 点、最低8 点、平均得点は19.3 ± 4.6 点だった。【考察】今回の看護系大学生は生活習慣を意識はしているが、がん予防新12 か条で示す値より下回っており、これはがんおよびがん検診に対する知識不足が影響していると考える。またがん検診の認知度は高いが検診率が低いのは、対象者が検診の対象年齢未満であることが影響していると考える。身内にがん患者がいる人のほうが、1 ~ 2 年以内に検診を受けようと思う人が多いことから、1 年生からがんと検診に関する知識の提供や、がんサバイバーからの話を聞く機会を設けることで、検診への意思が高まるのではないかと考えた。