第53回(2022年度)日本看護学会学術集会 幕張

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ポスター

ポスター4群 看護教育~新人教育~ 

Tue. Nov 8, 2022 11:30 AM - 12:30 PM ポスター会場 (国際展示場)

座長:伊藤 恵美

[ポスターM-4-1] 新人看護職員技術到達度に及ぼしたCOVID-19の影響

田中 ひとみ, 堀込 克代 (順天堂大学医学部附属静岡病院)

Keywords:新人看護職員技術到達度、新人看護師育成、リアリティーショック

【抄録】
【目的】2019 年12 月中国武漢市で始まったコロナ感染への対策が、新人看護職員技術到達度に及ぼした影響について分析し、今後の新人看護師育成を考える。【方法】看護学生時代にコロナ感染対策の影響を受けた期間を2019 年度入職者は「影響無」、2020 年度入職者は「4 か月間影響有」、2021年度入職者は「16 か月間影響有」とし、A 病院において入職時に実施する新人看護師技術研修の9項目、1おむつ交換、2体位交換、3移乗移送、4皮下注射、5輸液管理、6インスリン関連、7静脈血採血、8標準予防策、9針刺し防止対策に関して、入職時、3 か月目、6 か月目に実施した新人看護職員技術到達度調査より、その影響を分析・検討する。【結果】入職時の新人看護職員技術到達度調査では、「4 か月影響有」の2020 年度、「16 か月影響有」の2021 年度入職者よりも「影響無」の2019 年度新人の方が、3項目(1.2.3)において「1人でできる」と回答した割合が低かった。しかし3 か月目の調査結果では、「16 か月間影響有」の2021 年度入職者が8項目(9 以外)において「1人でできる」と回答した割合が低くなった。6 か月目の調査結果では、全ての項目においてほぼ差のない回答であった。【考察】コロナ感染対策が始まり、看護学生時代において、対面授業、臨床実習中止が余儀なくされた。その影響が入職以降にどのような影響を及ぼすのか、そして影響のあった新人に対し、臨床現場ではどのような受け入れ体制を準備し、支援していかなければならないのかを考える調査結果となった。入職時には臨床実習に影響の無かった2019 年度入職者が「1人でできる」と回答した3項目が他の期に比べて低かったのは、実習時に看護スタッフの支援のもと実施したという経験があり、自身のレディネスを把握しての入職ととれる。3 か月目の調査において、臨床で看護実践を体験をしてみると「16 か月間影響有」の2021 年度入職者は、「1人でできる」と回答した割合が他の年度入職者と比較し8項目で低くなったのは、看護実践能力に関するリアリティーショックが大きかったと考えられる。しかし6 か月目の調査では、3 期ともほぼ同じ割合に達しており、このことからコロナ対策の影響のあった新人には、3 か月間の臨床実践での支援が特に重要であり、その後も継続して6 か月まで見守っていく必要のあることが示唆された。