第53回(2022年度)日本看護学会学術集会 幕張

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ポスター

ポスター5群 治療・検査に伴う看護

Tue. Nov 8, 2022 11:30 AM - 12:30 PM ポスター会場 (国際展示場)

座長:城尾 恵子

[ポスターM-5-4] 日帰り鎮静下上部内視鏡検査における「内視鏡セデーション回復チェック表」使用後の評価と課題

門倉 典子, 小澤 康恵, 小林 奈津美 (山梨病院)

Keywords:鎮静下内視鏡検査、内視鏡検査看護、内視鏡セデーション回復チェック表

【抄録】
【目的】外来看護師が、日帰り鎮静下内視鏡検査(以下検査)後に、患者の安全を守り、統一した看護を提供するため、内視鏡セデーション回復チェック表(以下チェック表)を作成、評価し課題を明らかにする。【方法】1)期間:2021 年7 月1日~ 8 月31 日 2)対象:観察を行う外来看護師19 名 3)検査時の鎮静薬使用に関して、薬剤を中心にメリット・デメリットなど、消化器内科医師(以下医師)による勉強会を開催。4)「内視鏡診療における鎮静に関するガイドライン(第2 版)」を参考に医師と共にチェック表を作成。5)チェック表の有効性を明らかにするため、記述式のアンケート(患者年齢、使用薬剤、着床・帰宅時の点数、チェック表使用後の問題点など)を実施。6)分析方法:単純集計を用いて分析7)倫理的配慮:倫理委員会の承認を得て、対象看護師へ文章と口頭で説明、調査用紙の回収をもって同意とした。【結果】1.勉強会を実施し、鎮静薬使用のメリット・デメリットや薬剤の特性について理解できた。2.チェック表は、着床・帰宅時に5 項目(呼吸状態、酸素飽和度、意識状態、循環状態、活動度)を点数化、10 点満点とし、8 点以下を医師へ報告とした。3.検査37 件、アンケート回収率76%(28 件)。患者年齢は、中央値69.7 歳(49 ~ 95 歳)。鎮静薬はミタゾラムが72%と最も多く、多剤投与もあった。拮抗薬を使用したため、覚醒の悪さや異常値はなかった。チェック表を使用した結果、医師に報告することなく安静解除し、指示時間で帰宅できた。チェック表は、「具体的な指標があり判断基準となった。わかりやすく、特別問題と感じたことはなかった。」などの意見がでた。【考察】検査は鎮静薬を使用するため、患者の理解を得るだけでなく、家族の協力も重要である。勉強会により鎮静薬使用によるメリット・デメリットが理解できたことで、検査予約時から患者・家族に対し統一した説明ができるようになった。チェック表を使用したことで、看護師の経験年数による観察の差はなく、統一した看護提供ができ、患者の安全確保に繋がった。しかし、今後内視鏡治療は高度・複雑化し、鎮静下での件数も増加することが予想される。また、検査を受ける患者も高齢化することから、現在の観察項目に加え患者の年齢や併存疾患など、偶発症発生リスクを考慮したチェック表作成と看護師育成が課題である。