第53回(2022年度)日本看護学会学術集会 幕張

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ポスター

ポスター5群 治療・検査に伴う看護

Tue. Nov 8, 2022 11:30 AM - 12:30 PM ポスター会場 (国際展示場)

座長:城尾 恵子

[ポスターM-5-6] 大腸内視鏡検査における前日の食事に関する聞き取り調査

-当日の排便状況との関連に焦点をあてて-

柳 千衣子, 木村 里美 (鬼石病院)

Keywords:大腸内視鏡検査、外来看護、食事制限

【抄録】
【目的】大腸内視鏡検査の前日に患者が摂取した食事内容と当日の排便状況から、検査に及ぼす影響を明らかにし、当該検査を円滑に行うための支援について示唆を得る。【方法】研究対象:A 病院で大腸内視鏡検査を受ける患者 調査期間:令和2年10 月1 日~ 10 月31 日 研究方法:検査を受ける患者6 名に、事前説明として検査前日の食事制限(夕食は20時までに消化しやすい物を摂取し、海藻・キノコ・繊維の多い野菜・雑穀米は避ける)、下剤の内服等について話した。その際に研究者が作成したアンケート用紙を配付し、検査当日にはアンケートを基に前日の食事時間、調理者、食事内容、調理方法、日頃の排便状態や排便に支障をきたす既往、検査説明の理解度(理解できた・できない)の聞き取り調査を行った。当日の排便状況を確認し、検査時に医師が腸管洗浄度評価スケールの5 段階で評価した。倫理的配慮:調査病院の倫理委員会の承諾を得た。対象者には主旨・アンケート用紙の使用目的・回答への協力は自由意思であり、データは目的以外で使用せず、速やかに破棄すると説明した。【結果】対象者は男性3 名(うち1 名は外国国籍)、女性3 名。平均年齢71.6 歳。大腸に明らかな既往、便秘の患者はいなかった。事前に食事制限の説明を行ったが、時間内に食事摂取が出来なかった患者が1 名、食事制限が守れなかった患者が5 名であった。調理者は、説明を受けた患者本人が3 名、配偶者・嫁・お惣菜を購入した人が各1名であった。検査説明の理解度では「理解できた」と回答した4 名のうち、食事制限が守れたのは1 名だけであった。食事制限・時間制限が守れなかった患者の中には、腸管洗浄度評価で「残便の存在が観察に支障をきたす」結果であり、追加処置を行った患者が1 名いた。【考察】今回の研究では大腸の既往や便秘のある患者がいなかった為、食事制限や腸管洗浄剤の処置で、検査に影響を及ぼすことなく実施できたかまでは言い切れない。しかし、確実な診断・治療には、腸管洗浄を行う事が必須であることから、食事制限・腸内洗浄の重要性を、患者の年齢や食事を調理する人等、その患者の状況に応じた説明が必要である事が示唆された。