第53回(2022年度)日本看護学会学術集会 幕張

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ポスター

ポスター6群 在宅療養移行支援②

Tue. Nov 8, 2022 2:00 PM - 3:00 PM ポスター会場 (国際展示場)

座長:栁澤 節子

[ポスターM-6-4] 退院支援ツール導入によるスタッフの意識変化

- ACP を活用した退院支援ツールの使用-

平田 美紀, 神田 奈々, 加来 耕一 (千里中央病院)

Keywords:ACP、意思決定支援、退院支援

【抄録】
【目的】A 病棟は長期療養を目的に入院している患者が多い。療養環境が患者に合っているか考えた。ACP の知識を深め、スタッフの退院支援に対する意識変化に繋げるためこの研究に取り組む。【方法】⑴ A 病棟の看護師14 名にACP についての勉強会前・後の意識調査⑵退院支援ツールの導入前・導入後の意識調査。研究対象者には得られたデータの管理・匿名性の確保を厳重に行うことを文面で説明し、同意を得て無記名アンケートを実施。【結果】⑴ ACP の理解度:勉強会前の理解度40% が、勉強会後100% になった。⑵退院支援ツール導入前後の意識調査: 患者が大切に思っていること(人生観・価値観・死生観等)を知ろうとしているかという問いで“ はい” は87.5%。患者が大切に思っていることについては、「病棟全体でカンファレンスや申し送りで共有できている」という回答が87.5% あった。退院支援ツール導入後、意思決定支援シートを使用し患者が大切に思っていることを知ろうとしているかの問いで“ はい” は90% で導入前より2.5% 増えた。⑶ツール導入による退院支援に対する意識変化:退院支援に対する意識に変化があったかという問いの“ はい” は70%、“ いいえ” は30% であった。実際のツールを活用し、退院後に患者・家族の意思決定について振り返りカンファレンスは100%実施した。【考察】ACP についての理解度が40%から100%になったのは、勉強会を看護師全員に行ったため理解度が上がった。意思決定支援シートを使用し患者が大切に思っていることに対し、日々のコミュニケーションで入院前からの人生観について情報収集を行い、患者本人を深く知ろうとする意識の高まりがみられたため、導入前より2.5%増えたと考える。ツール導入後の退院支援に対する意識変化で70%の変化したと回答しているが、それはACP の知識を得て、その必要性を実感したからと考える。ツール導入後の意識変化で、“ いいえ” と答えた30%の看護師は、ツール導入前より退院支援の必要性があると感じていたため意識に変化がなかった。【結論】看護師全員がACP を意識しながら、退院支援ツールを使用し入院時より退院を見据えた関わりを行うことができている。