第53回(2022年度)日本看護学会学術集会 幕張

講演情報

ポスター

ポスター7群 新型コロナウイルス感染症下の看護~看護職の心理②~

2022年11月8日(火) 14:00 〜 15:00 ポスター会場 (国際展示場)

座長:佐竹 孝文

[ポスターM-7-2] COVID-19 対応病棟看護師のストレス実態調査

-質問紙調査法を通して-

平尾 映, 大坪 朋子, 河津 美都, 原田 美紀, 石垣 恭子, 山口 未希 (佐世保中央病院)

キーワード:COVID-19、ストレス、看護師

【抄録】
【目的】A 病院でのCOVID-19 患者対応に関する、病棟看護師のストレス実態や要因について、質問紙調査法を用いて明らかにする。【方法】先行研究の質問紙調査内容を参考にCOVID-19 患者に対応する看護師が感じたストレスに関する質問紙を作成する。「新人」「リーダー業務を行う看護師」「病棟運営に携わる看護師」に分類し、経験年数を3 段階に分ける。質問項目に関してはリッカート尺度を用い6 件法とする。看護師22 名を対象に調査した。倫理的配慮:所属病院の倫理委員会の承認を得て、プライバシーは保護され、不利益を受ける事はないと明示した。【結果】6 段階の尺度のうち、4 以上をストレスありと解釈する。回答者の90%以上が、「COVID-19 陽性患者を担当する事に不安がある」「自身がCOVID-19 に感染する不安がある」「防護具着用によるストレスを感じる」「業務量の増加、業務内容の変更が多く大変さを感じる」「自身がCOVID-19 患者対応している事で家族に負担をかけていると感じる」と答え、ストレスを感じていた。また、50%以上が「患者数の増減で勤務変更が多く負担を感じる」「COVID-19 患者を対応した事で、院内で不利益や差別を受けた事がある」「COVID-19 患者を対応した事で、院外で不利益や差別を受けた事がある」と答えていた。看護師経験年数別のストレス強度に有意差は認めなかった。選択、自由回答からストレス要因の分類を行い、7 個のカテゴリと29 個のサブカテゴリを抽出できた。【考察】経験年数別でのストレスに有意差はなく、看護師は経験年数に関わらずストレスを感じているとわかった。防護具により不快感を伴うだけでなく、体力面や熱に関連する諸症状のために業務がより困難になっていた。特に夏季は熱中症のリスクもあり、長時間の入室でゴーグルやフェイスシールドの曇り等が増悪する恐れがある。長時間の陽性エリアでの業務は、自身の感染リスクと防護具着用に伴う不快症状の増強に繋がった。COVID-19 陽性患者を担当した事で院内、院外で不利益や差別を受けた事がある看護師が過半数を占めた。特に院内で不利益や差別を受けた経験があるとの回答者が多く、他部署との感染意識の違いや、患者数のみで業務量を判断されることにストレスを感じるとの回答もあり、他部署にも感染管理専門病棟の現状を正しく認識してもらう必要性がある。