第53回(2022年度)日本看護学会学術集会 幕張

講演情報

ポスター

ポスター7群 新型コロナウイルス感染症下の看護~看護職の心理②~

2022年11月8日(火) 14:00 〜 15:00 ポスター会場 (国際展示場)

座長:佐竹 孝文

[ポスターM-7-3] 新型コロナウイルス感染症患者および一般診療患者対応病院における看護師の患者受け入れに対する心境の変化に影響を与えた要因

渡辺 静美, 斎藤 しのぶ, 市川 奈津子, 津國 幸恵, 小磯 雅美 (東京都立多摩南部地域病院)

キーワード:COVID-19 対応、心境の変化、危機的状況下、内発的動機づけ

【抄録】
【目的】COVID-19 患者対応開始から現在までの心境の変化に影響を与えた要因を明らかにする。【方法】研究デザインは因子探索研究。研究に同意を得られたA 病院の看護師39名に対し、2 ~ 4 名を1 グループとし半構造的面接を実施した。面接内容を録音し逐語録を作成しコード化、サブカテゴリー化、カテゴリー化を行った。A 病院倫理委員会の承認を得た。【結果】インタビュー参加者数39 名。受け入れ当初の心境は129 個のコード、29 個のサブカテゴリー、5 個の上位カテゴリー「恐怖」「不安」「疲労感・困難感」「覚悟とあきらめ」「行動制限による負担感」を抽出した。現在の心境は79 個のコード、12 個のサブカテゴリー、4 個の上位カテゴリー「スキルアップできた」「安心感」「変化なし」「日常に対する気づき」を抽出した。変化に影響を与えた要因は、211 個のコード、26 個のサブカテゴリー、6個の上位カテゴリー「看護師としての誇り」「慣れ」「互いに支えあう気持ち」「周囲の人からの支援」「社会からの影響」「病院としての体制整備」を抽出した。【考察】変化に影響を与えた要因は、内的要因として「看護師としての誇り」「慣れ」「互いに支えあう気持ち」、外的要因として「社会からの影響」「周囲の人からの支援」「病院としての体制整備」に分類された。内的要因である「看護師としての誇り」は、看護職を選択した動機や背景は様々であっても、看護師の使命を果たしている実感が「看護師としての誇り」として認識されたと考える。経験を重ねることで業務に「慣れ」、更に「互いを支えあう気持ち」が醸成されたと考える。目標に向かって行動を立ち上げ、方向づけ、支える力は、やる気(動機づけ)であり、「看護師としての誇り」「慣れ」「互いに支えあう気持ち」が内発的動機づけとしてあげられる。太田らは、内発的な動機づけとは、自分の内側から起こるやる気であり、『自律性』『有能感』『関係性』であると述べており、「スキルアップできた」という現在の心境に影響したと考える。外的要因である「病院としての体制整備」や「周囲の人からの支援」は「安心感」に繫がり、内的・外的要因共に危機的状況下にある看護師に影響を与えていたと考える。