第53回(2022年度)日本看護学会学術集会 幕張

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ポスター

ポスター7群 新型コロナウイルス感染症下の看護~看護職の心理②~

Tue. Nov 8, 2022 2:00 PM - 3:00 PM ポスター会場 (国際展示場)

座長:佐竹 孝文

[ポスターM-7-5] COVID-19 感染症病棟の開棟スタッフとなった看護師のストレス

- COVID-19 感染症に対応した看護師のストレスの実態-

井上 翠, 奥山 幸子 (東京都立東部地域病院)

Keywords:COVID-19、感染症、看護師、ストレス、不安

【抄録】
【目的】COVID-19 感染症病棟勤務となった看護師に生じたストレスの内容を明らかにし、新たな未知の疾患に対応する看護師の支援体制を検討するための一助とする。【方法】対象:A 病院で2020 年3 月-2021 年8 月にCOVID-19 感染症病棟開棟時に勤務した3 病棟看護師53 名。方法:先行文献を参考に質問紙を自作した。ストレスを不安・イライラ・悲しさ・恐怖を感じることと定義した。いつも感じた、たまに感じた、あまり感じなかった、全く感じなかったで測定し、あまり感じなかったもストレスが0 ではない反応と判断し、全く感じなかった以外の全てをストレスありとした。分析は記述統計で行った。倫理的配慮:不利益を被らない自由参加とし、収集したデータは匿名性を守り、研究終了後速やかに破棄とした。【結果】53 名に配布し50 名回収(回収率94.3%)、有効回答50 名(有効回答率100%)。病棟結果:a 病棟は最初に開棟し「死亡時家族が立ち会えなかった」で全員がストレスを感じた。「他部署から風評被害を受けた」「感染症対応に対する補償がなかった」は12 名(92.3%)がストレスを感じた。b 病棟はa 病棟の次に開棟し「親しい人に仕事の話ができなくなった」で全員がストレスを感じた。c 病棟は最後に開棟し「他部署から風評被害を受けた」は「全く感じなかった」「経験なし」が30%を超えた。配置転換経験の有無:「自己が罹患する可能性があった」で経験の有無に関わらず全員がストレスを感じた。同居家族の有無:「自分が感染し家族に広げる可能性」で同居家族あり33 名(97.1%)、同居家族なし9 名(52.9%)がストレスを感じた。年代別:「自宅から引っ越した」で20 代5 名(33.3%)、40 代1 名(5.9%)がストレスを感じた。【考察】病棟間比較は、当初マニュアルが確立しておらず、試行錯誤した対応がストレスになったと考えた。また、COVID-19 感染症に対して様々な憶測に基づく風評被害にあったと考えた。同居家族の有無による比較は、自らが罹患し感染を広げることに看護師としての社会的責務を考え不安や恐怖を感じたと考えた。配置転換経験の有無での違いはなかった。年代別比較は、職業的信念が貫けないことに、経験豊富な看護師ほどストレスを感じたと考えた。40代に比べ20 代は独身者が多く、引っ越しの選択をし易くストレスに繋がったと考えた。