第53回(2022年度)日本看護学会学術集会 幕張

講演情報

ポスター

ポスター8群 疾病とともに暮らすことへの支援②

2022年11月8日(火) 14:00 〜 15:00 ポスター会場 (国際展示場)

座長:千田 睦美

[ポスターM-8-1] 虚血性心疾患を併発した糖尿病患者の療養生活への思い

本山 和樹1, 馬場 千瑛1, 齋藤 汐莉1, 小林 綾子 2 (1.長岡赤十字病院, 2.新潟県立看護大学看護学部看護学科)

キーワード:糖尿病、療養生活、虚血性心疾患、思い

【抄録】
【目的】糖尿病(以下DM)患者の虚血性心疾患発症率は高く、再発率は非DM 患者の2.4 倍との報告がある。その為、虚血性心疾患を併発したDM 患者は自己管理が重要となる。患者は複雑な思いで療養生活を過ごしていると考えられるが、2つの疾患を併せ持つ患者の療養生活に対する思いは明確にされていない。その為、虚血性心疾患を併発したDM 患者はどんな思いで生活を送っているかを知ることが、入院中の患者の思いに寄り添った指導を行う為に重要である。本研究の目的は、虚血性心疾患を併発したDM 患者の経皮的冠動脈形成術(以下PCI)後の療養生活への思いを明らかにすることであった【方法】対象は令和X 年9 月から令和X+1 年4 月にPCI 後8 カ月の冠動脈造影検査のためA 病院に入院したDM 患者であった。データ収集期間は令和X+1 年5 月から8月であった。データは半構造化面接法を用いた面接により収集し逐語録をデータとした。主な内容は食事・運動・薬物療法等に対する思いであった。分析は逐語録をコード化、カテゴリー化し帰納的分析を行った。倫理的配慮は長岡赤十字病院医療倫理委員会の承認(承認番号210401)と同病院研究倫理審査委員会の承認(受付番号2021-1-2)を得て実施した【結果】対象は同意が得られた50 歳代から70 歳代の4 名だった。虚血性心疾患を併発したDM 患者のPCI 後の療養生活への思いとして9つのカテゴリーが抽出された。カテゴリーは「死の恐怖を契機とした生活改善への意欲」「不摂生な生活や体調の変化への気付き」「活動時の体調の悪さへの気付き」「食事療法への苦悩を抱え、模索しながら改善を望む」「運動療法への期待と継続への意欲」「薬の飲み忘れの弊害を推測し、忘れないよう思慮」「医師からの治療への期待」「役割を自覚し、家族を想う」「気を緩めず療養生活を送ることを決意」であった【考察】虚血性心疾患を併発したDM 患者は、死の恐怖を契機に生活改善への意欲を持ち、食事・運動・薬物療法の療養方法を模索しながら改善を望むと考えられた。そしてDM を含めて気を緩めず療養生活を過ごそうとする思いに発展するのではないかと考えられた。これらからPCI 後に行う入院中の看護は、退院後の生活に合わせた食事・運動・薬物療法を患者と一緒に模索し、受診や家族の支援について話し合い、より良い療養生活を送ることができるようにする必要があると考える