第53回(2022年度)日本看護学会学術集会 幕張

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ポスター

ポスター9群 看護教育~臨地実習指導~

Tue. Nov 8, 2022 2:00 PM - 3:00 PM ポスター会場 (国際展示場)

座長:今野 朱美

[ポスターM-9-1] PNSにおける急性期病棟の臨床実習指導に対する実態調査

田中 翔 (大阪府済生会富田林病院)

Keywords:PNS、臨床実習指導、急性期病棟

【抄録】
【目的】A 病棟ではPNSで臨床実習指導を行っている.PNSにおける急性期病棟でどのように実習指導を行っているのか実態を明らかにし,PNSでの臨床実習指導の一助にしたいと思い本研究に取り組んだ.【方法】A 病院の急性期病棟(小児看護学実習病棟は除く)に勤務する常勤看護師71 名に対し質問紙を作成し調査を行った.記述統計を行い,質問項目を経験年数別と臨床指導者(以下指導者)の経験の有無で比較.経験年数別ではSpearman 順位相関,指導者経験の有無ではMann-Whitney のU 検定を用いた.倫理配慮についてはA 病院の看護部倫理審査会の承認を得た.【結果】52 名より回答が得られ,有効回答は50 名であった.経験年数は2 ~ 5 年目25 名,6 ~ 9 年目4 名,10 ~ 14 年目4 名,15 年目以上17 名.指導者の経験あり17 名,なし33 名.『実習目標の確認』経験年数との間には低い正の相関が認められた(p> 0.05)『指導連絡票の確認』指導者経験ありの方が有意に行っていた(p< 0.034)経験年数との間には低い正の相関が認められた(p< 0.01)『学生の報告内容をペア間で共有』経験年数との間には低い負の相関が認められた(p< 0.05)『学生からの報告確認の依頼』指導者経験ありの方が有意に行っていた(p< 0.015)『PNSを活かせていると思う場面』では「どちらかが学生対応ができる」「ペア間で学生指導に関する相談ができる」「看護師2 人の意見が聞けて学生にとってよい」との回答であった.『PNSが活かせていないと感じる場面』では「どちらかに学生対応の負担が偏ることがある」との回答であった.【考察】実習目標や指導連絡票の確認では,指導経験により実習対応への意識が高いためと考える.学生の報告内容の共有では,経験年数が短い方が実施しており,ペアで相談して指導の不安点を補い,指導に繋げていた.これはPNSの相談機能や情報共有機能が働いていると考える.PNSが活かせていると思う場面では,PNSでの指導は,看護師の連携を見せ,学生は多角的な視点でアドバイスを受けることが出来る.また,状況に応じて患者対応と学生対応に分かれ対応できることで,学生と患者の安心に繋がると考える.PNSを活かせていないと思う場面では,実習に対する指導力への不安から,ペアのどちらかが指導を担当している可能性はある.しかし,指導者経験のある看護師は『学生からの報告内容の確認』を行っており,ペアに委ねている部分があると考える.