第53回(2022年度)日本看護学会学術集会 幕張

講演情報

ポスター

ポスター9群 看護教育~臨地実習指導~

2022年11月8日(火) 14:00 〜 15:00 ポスター会場 (国際展示場)

座長:今野 朱美

[ポスターM-9-2] 患者サポートセンター実習の学習内容が入院中の看護の視点へ与える影響

手戸 邦江, 加藤 順子, 緒方 仁美 (いわき市医療センター看護専門学校)

キーワード:入院支援、在宅看護論実習、退院支援、看護の視点、看護学生

【抄録】
【目的】患者サポートセンター実習を行った学生が、入院支援、退院支援の学習内容を入院中の看護にどのように活用していくかを明らかにし、実習指導に役立てる。【方法】期間は令和3 年7 ~ 11 月。A 校の患者サポートセンター実習(入院支援、退院支援を行う看護師に1 日同行)後の学生20 名を対象に、無記名自記式質問紙調査を実施。入院支援、退院支援それぞれについて、〔体験〕内容を選択肢より複数回答、体験からの〔学び〕、入院患者の〔関わり〕への活用は自由記載とした。〔体験〕は単純集計、〔学び〕〔関わり〕は内容分析し類似した記述内容をカテゴリ化した。対象に目的、参加自由、評価と無関係、個人情報保護、研究発表を説明し書面で同意を得た。【結果】回収数14(70%)。1.入院支援〔 体験〕は地域医療機関との連携13(93%)、入院前面談12(86%)、多職種への入院前介入依頼3(21%)等であった。〔学び〕は23 コード、情報を入院生活にいかす、入院に対する不安を軽減する、入院前から退院後の生活を支える、入院前から多職種で支える等7 カテゴリであった。〔関わり〕は23 コード、入院支援で収集した情報をケアに活用する、退院後の生活を見据える、患者の持つ不安に配慮して関わる、入院前の生活を捉えて関わる、入院前・入院初期から退院支援を行う等7カテゴリであった。2.退院支援 〔体験〕は重症系病棟ラウンド14(100%)、退院支援多職種カンファレンス10(71%)、退院調整スクリーニング該当者の確認10(71%)、患者・家族への情報提供2(14%)等であった。〔学び〕は24 コード、様々なサービスを活用して退院後の生活を支える、退院に向けて多職種が専門性をいかして関わる、多職種で状況に応じた退院後の支援を考える等6 カテゴリであった。〔関わり〕は21コード、患者の持つ力を引き出す、望む生活の実現に向けて意思決定を支える、入院による変化を踏まえて退院後の生活を捉える、患者・家族の希望を多職種につなぐ等6 カテゴリであった。【考察】入院支援、退院支援の学びは、患者の入院による身体機能の変化や精神面への影響を入院前の生活と結びつけて捉え、退院に向け必要となる看護実践につなげることができる。患者を入院前、入院中、退院後の継続する時間軸で捉えることで、住み慣れた地域で望む生活を支えるための切れ目ない看護ができると考えた。