第53回(2022年度)日本看護学会学術集会 幕張

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ポスター

ポスター9群 看護教育~臨地実習指導~

Tue. Nov 8, 2022 2:00 PM - 3:00 PM ポスター会場 (国際展示場)

座長:今野 朱美

[ポスターM-9-4] 臨地実習指導者研修受講者と未受講者の実習指導に対する心構えの比較

杉浦 由莉, 木田 真由実, 佐野 萌子 (富士市立中央病院)

Keywords:臨地実習指導者研修、受講者と未受講者、心構えの比較

【抄録】
【目的】臨地実習指導者研修受講者と未受講者の実習指導に対する心構えを明らかにする。【方法】A 病院の臨地実習指導者研修に参加した2 名と参加していない看護師歴20 年以上の実習指導者2 名の計4 名を対象に半構造化面接を行い、得られたデータを帰納的に分析した。【結果】未受講者は「37コード」< 14 サブカテゴリ>≪ 4 カテゴリ≫が抽出され、≪学生を理解しようとする姿勢≫≪学生が質問しやすい雰囲気作り≫≪自身の指導方法に対する懐疑≫≪病棟スタッフのサポートを含めた継続指導≫という心構えが抽出された。≪学生を理解しようとする姿勢≫では「レディネスカードは一応読むがリンクしない。読んだ内容と実際関わるのでは印象が違う」と語るようにレディネスカードは活用できていなかった。受講者は「39 コード」< 11 サブカテゴリ>≪ 5 カテゴリ≫が抽出され、≪学生を理解しようとする姿勢≫≪実習は看護師への準備期間≫≪研修受講後の変化≫≪同部署の学生指導者間での協同による学生指導≫≪学生が実習しやすい環境作り≫が抽出された。≪学生を理解しようとする姿勢≫では、事前に<レディネスカードを通した学生の特徴への理解>をして学生を広く捉えていた。また、≪学生が実習しやすい環境作り≫では<声かけの工夫>をしていた。さらに≪研修受講後の変化≫として、<研修参加で得た自信><学生指導方法の理解>により事前情報を読み込み、指導者間で情報共有を行っていた。【考察】受講者と未受講者は共通して≪学生を理解しようとする姿勢≫を持っていたが、未受講者はレディネスカードを活用しきれず、カンファレンスや実習指導を通して学生を理解していた。学生との関わりは、聞きやすい雰囲気を心掛けているものの、指導に関する知識・技術不足を自覚しており≪自身の指導方法に対する懐疑≫に繋がっていると考えた。しかし、受講者はレディネスカードを活用し同部署の指導者と情報共有し意図的且つ継続的に関わっていた。それは臨地実習全体を通して専門職として成長できるような心構えで実習環境作りを他の指導者と連携して実習指導を展開していると考えた。そこには臨地実習指導者研修で学んだコーチングスキルや実習指導案の作成が活かされていると考え、今後は院内研修に取り入れていく必要性が示唆された。