第53回(2022年度)日本看護学会学術集会 幕張

講演情報

口演

口演11群 看護教育~基礎教育②~

2022年11月8日(火) 14:00 〜 15:00 口演会場4 (102)

座長:勝山 貴美子

[口演M-11-4] 看護学実習に携わる看護師の学生指導が看護師としての成長に与える要因

山村 真智子1, 佐藤 美樹2, 松本 智津2 (1.細木病院, 2.高知大学教育研究部医療学系看護学部門)

キーワード:看護学実習、学生指導、スタッフナース、成長

【抄録】
【目的】本研究の目的は、看護学実習に携わる看護師の学生指導が看護師としての成長に与える要因について明らかにすることである。これらの要因を明らかにすることで、看護学実習に携わる看護師に必要な支援を適切に行うための示唆を得られると考える。【方法】同意の得られた、看護師経験10年未満、入職後3 年~ 5 年の看護師で臨地実習指導者講習会を受講していない看護師(以下スタッフナース)に、インタビューガイドを用いて半構造化面接を行った。本研究は、A大学医学部倫理委員会の承認を得て実施した(承認番号2020-134)。【結果】研究協力者は、スタッフナース8 名(女性6 名、男性2 名)だった。看護師経験年数は3 ~ 7 年(平均5 年2 ゕ月)、指導年数は2 年10 ゕ月~ 5 年(平均3 年5ゕ月)であった。内容分析の結果、≪学生指導に悩む≫≪学生への対応を考える≫≪学生指導の手応えを感じる≫≪学生指導を支える環境がある≫を抽出した。≪学生指導に悩む≫は、スタッフナースが学生指導時に抱えている悩みや学生指導と業務に対する捉え方だった。≪学生への対応を考える≫は、学生指導に対するスタッフナースの捉え方や姿勢、学生への思いだった。≪学生指導の手応えを感じる≫は、スタッフナースの学生指導や業務に対する捉え方や思いが変化したことだった。≪学生指導を支える環境がある≫は、臨地実習を円滑に進めるためのスタッフナースや他職員の捉え方だった。学生指導が看護師としての成長に与える要因として、スタッフナースの内面的要因とスタッフナースをサポートする人的要因が見いだされた。【考察】スタッフナースは≪学生指導に悩(む)≫みながらも、そのことに真摯に向き合い≪学生への対応を考え(る)≫、≪学生指導の手応えを感じる≫ことで懸命に取り組んでいたと考える。≪学生指導に悩む≫中で≪学生指導を支える環境が(ある)≫必要と捉え、また、≪学生指導の手応えを感じる≫ためには≪学生への対応を考え(る)≫携わることで≪学生指導を支える環境がある≫と実感できていると考える。このことから内面的要因と人的要因は相互に影響しあっていることが明らかとなった。これらの要因をふまえ管理者は人的環境を整えることが求められる。