第53回(2022年度)日本看護学会学術集会 幕張

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口演

口演17群 新型コロナウイルス感染症下の看護~感染対策~

Tue. Nov 8, 2022 2:00 PM - 3:00 PM 口演会場6 (104)

座長:髙橋 初枝

[口演M-17-1] 死を迎える患者への面会を制限された家族に対する関わり

- COVID-19 禍にある終末期がん患者の看護から-

大舘 桃代, 植木 実来, 細岡 萌子, 北野 瑞穂 (富山赤十字病院)

Keywords:終末期がん患者、面会制限、家族、COVID-19

【抄録】
【目的】COVID-19 禍での一般病棟で終末期がん患者の家族と関わる看護師の関わりを明らかにする。【方法】COVID-19の流行前後の一般病棟で3 年以上の勤務経験のある看護師5名に① COVID-19 における面会制限下で終末期がん患者の家族と関わる中で困難に感じたことや大変だったことはあるか②困難に感じたことや大変だったことがある中で大切にしていたことはあるか③その関わりで家族からはどのような反応があったか④家族の反応をへて関わりの変化はあったかの独自に作成したインタビューガイドに基づき、個人インタビューを実施し、逐語録からコード化した内容を比較しカテゴリー化した。【結果】得られたデータを分析した結果、7のカテゴリー、10 のサブカテゴリー、64 のコードに分類された。死を迎える患者への面会を制限された家族に対して、「家族が患者と会えない時間をうめられるように患者の様子を伝える」「患者と家族が直接話せるように調整する」「医師から患者の状態を聞ける場を設ける」「直接家族と会えるように調整する」「死期が近い患者の家族に会わせたい人を聞いている」「残される家族が患者の死を受容できるように調整する」「患者の死後、患者と家族が一緒に過ごす時間を設ける」といった関わりを行っていた。【考察】看護師は面会制限による時間の制約や家族と関係を構築する充分な時間がない中で、家族との関係を築くことや、余生を患者と家族がどう過ごすかを一緒に考え家族の予期悲嘆の促進につなげようと関わっていたと考える。また、COVID-19 における面会制限にて家族の来院が減り、家族ケアを行う機会が減少した中でも家族の病状理解を確認し、家族と患者が直接会えるように調整したり、患者と家族が一緒に過ごす時間を設けたりすることで家族が抱いている辛さや不安に寄り添う看護ケアを行っていたと考える。