第53回(2022年度)日本看護学会学術集会 幕張

講演情報

口演

口演17群 新型コロナウイルス感染症下の看護~感染対策~

2022年11月8日(火) 14:00 〜 15:00 口演会場6 (104)

座長:髙橋 初枝

[口演M-17-3] 新型コロナウイルス感染症対応病棟における看護師教育プログラム活用の評価

嶋田 栄美, 水口 尚美, 織田 美紀 (市立伊丹病院)

キーワード:教育支援、新型コロナウイルス感染症、教育プログラム

【抄録】
【目的】新型コロナウイルス感染症対応病棟(以下A 病棟)において、従事する看護師に作成した教育プログラムを活用し、その有用性を明らかにした。教育プログラムの有用性を明らかにする事は、今後看護師の不安軽減に繋がると考えた。【方法】A 病棟に従事する看護師9 名を対象に、以下の4項目の質問を行った。1. 学習や業務がわかりやすいか2. 看護実践の到達度の理解が出来るか3. 自身の到達度の理解が出来るか4. 教育プログラムの活用により不安が軽減できたかとした。個別に半構造化面接を行い、KJ 法で分析した。質問毎に看護師の語りから得られたデータをカテゴリー化し関係性を、関係記号を用いて図解化した。下位ラベルは「 」最終ラベルは『 』で表記した。倫理的配慮については、研究者が所属する施設の倫理委員会の承認を得て実施した。対象者には、研究の自由参加と途中中止の保証、及び不参加に対する不利益を生じる事が無い旨を説明し、インタビューの内容は承諾を得てIC レコーダーに録音後逐語録として、個人が特定できないようにデータ管理した。【結果】1. 学習や業務のわかりやすさは「詳細な記載」「学習資料が明確」で『わかりやすいという理解度』の反面、「詳細は体験が必要」という『教育プログラムの改善点』があった。2. 看護実践の到達度の理解は「表現が具体的」なので「到達、未到達が自覚ができる」という『到達度の理解』であった。その結果「指導の指標になる」という『指導する看護師の理解』にも繋がった。しかし、到達度の評価については「評価者の固定」や「評価基準の変更」という『評価方法の変更』となった。3. 自身の到達度の理解は「自身の到達度の自覚」「未経験項目の必要性の自覚」という『看護師の自覚』と「到達度の共有」という『他者評価の利点』が相互作用していた。。その反面「自身の実践力に不安」「評価に不安」があり『他者評価との解離』であった。4.『不安が軽減する要因』は「具体的である」「質問しやすい」「学習漏れの防止」で、その結果「実践力の向上」と「不安の軽減」が「期待される効果」となった。一方「体験がないこと」は『不安が軽減しない要因』であった。【考察】教育プログラムの活用は、従事する看護師にとって到達度を自覚でき、看護実践力の向上と不安軽減が期待された。一方、業務の詳細は体験を取り入れる事や評価方法を改善することが課題となった。