第53回(2022年度)日本看護学会学術集会 幕張

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口演

口演2群 外来における療養支援

Tue. Nov 8, 2022 2:00 PM - 3:00 PM 口演会場1 (302)

座長:相馬 泰子

[口演M-2-4] 急性期病院における外来看護師の役割意識に関する調査

鍋島 あゆみ, 中所 菊代, 福岡 志野 (関西医科大学附属病院)

Keywords:急性期病院、外来看護、役割、意思決定

【抄録】
【目的】外来における看護師に求められる役割を明らかにする。そして外来看護のあり方や目指すべき姿、外来看護師教育の示唆を得る。【方法】1. 研究期間:2019 年9 月1 日~2020 年1 月末日 2. 研究対象者:A 大学病院看護部外来に所属する常勤看護師60 名 3. 研究方法:7 ~ 8 名のグループを形成し、外来看護師として理想の看護師像について参加者全員でKJ 法を実施した。実施には外来の教育担当者が参加し実施方法の均一化を図った。計6 回の実施で、得られた言語データをコード化し、サブカテゴリー、カテゴリーを抽出した。(以下〈 〉カテゴリーとする)倫理的配慮:本研究はA 大学病院倫理審査委員会の承認を得て実施した。研究協力者には、研究参加は自由意志であり、データの匿名性の保持、保管方法について説明し、同意を得た。【結果】研究協力が得られた参加者は55 名(参加率91.7%)。平均経験年数20.8 ± 6.9 年であった。「外来でどのような看護がしたいか」に関する124 コードが抽出され、〈多職種、他部門と協働する〉〈自立を促す支援をする〉〈患者一人ひとりに応じたケアの工夫ができる〉〈患者・家族を含めた意思決定への関わり〉〈不安と苦痛への対応ができる〉〈患者に安心感を与える関わりができる〉〈患者の思いを理解し共感する〉の7つに分類できた。また、外来看護師の目指す看護師像として、患者の最善を考え、多職種との仲介やアドボケーターの役割ができること、生活に合わせたセルフケア支援など自立を促すケア提供ができること、望む療養を実現するための意思決定支援ができることの3 点が明らかになった。【考察】〈自立を促す支援をする〉〈患者一人ひとりに応じたケアの工夫ができる〉のカテゴリーから、外来看護師は、患者の生活を見据えた指導や支援を役割であると認識していることがわかった。しかし〈患者・家族を含めた意思決定への関わり〉では、外来看護師は患者の意思決定の必要性や重要性を理解しているものの、行動を表す具体的なコードは含まれていなかった。外来看護師は自身の価値観に基づいて意思決定支援を実践しており、意思決定プロセスを意識した行動が出来ていない現状がうかがえた。今後、外来看護師は意思決定プロセスを認識し、事例検討や事例のリフレクション、倫理カンファレンス等を通して、適切な情報提供や予測性、倫理的判断力を強めていく必要がある。