第53回(2022年度)日本看護学会学術集会 幕張

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口演

口演20群 看護職の業務に対する困難感②

Tue. Nov 8, 2022 2:00 PM - 3:00 PM 口演会場7 (105)

座長:眞嶋 朋子

[口演M-20-2] A 大学病院に勤務するクリニカルラダーレベル(2)修了者・認定者の職務満足調査

江田 規栄子, 渡邉 理奈, 水沼 由美子 (獨協医科大学病院)

Keywords:大学病院、職務満足、看護師、ラダーレベル(2)修了者・認定者

【抄録】
【目的】A 大学病院に勤務するラダーレベル(2)修了者・認定者の職務満足を調査し、職務を継続している看護師が持つ職務満足について明らかにする。【方法】A 大学病院の一般病棟(外科・内科)に勤務するラダーレベル(2)修了者・認定者計49 名を対象とした。質問紙は、研究対象者の基本属性と、撫養らが開発した職務満足測定尺度の4 因子28 項目(第一因子「仕事に対する肯定的感情」11 項目、第二因子「上司からの適切な支援」6 項目、第三因子「働きやすい労働環境」6 項目、第四因子「職場での自らの存在意義」5 項目)を用いて作成し、調査した。分析方法は、職務満足測定尺度の4因子と、基本属性の年齢、臨床経験年数、部署の経験年数について、ピアソンの積率相関検定を行った。対象者には研究の趣旨を文章で説明し、協力を得た。【結果】基本属性のうち、性別、婚姻状況、看護系の最終学歴、病棟(外科、内科)で、職務満足測定尺度の4 因子との関連を調べた結果、有意差はみられなかった。職務満足測定尺度の4 因子と、基本属性の年齢、臨床経験年数、部署の経験年数は、それぞれ相関関係(r= 0.427 ~ 0.851)にあった。また部署の経験年数と第一因子「仕事に対する肯定的感情」とで相関関係(r =- 0.291)にあった。【考察】職務満足測定尺度の4 因子は基本属性間で有意差はみられず、職務満足を低下させる要因は明らかにならなかった。職務満足測定尺度の4 因子は正の相関にあることから、「仕事に対する肯定的感情」が高い人は、「上司からの適切な支援」や「働きやすい労働環境」「職場での自らの存在意義」も、それぞれ高いことが分かった。一方で、部署の経験年数と、第一因子「仕事に対する肯定的感情」が弱い負の相関を示した。この結果は、部署での経験年数を重ねるにつれ、患者に対しての看護ケアの幅は広がり、多種多様な看護ケアが提供できるようになるが、一方で役割や委員会などの付帯業務が増加することで実施困難となることが、肯定的感情が低くなる要因となったのではないかと考える。仕事に対する肯定的感情を高くするためには、看護師一人ひとりが患者に対し、質の高い看護ケアを提供しているという自信を持ち、専門知識と技術の提供ができるような支援が必要ではないかと考える。