第53回(2022年度)日本看護学会学術集会 幕張

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口演

口演20群 看護職の業務に対する困難感②

Tue. Nov 8, 2022 2:00 PM - 3:00 PM 口演会場7 (105)

座長:眞嶋 朋子

[口演M-20-5] NICU へ配置転換となった看護師の抱える困難

橋本 麗奈, 斉藤 梢, 丸島 未来, 冨田 優紀 (宮崎県立宮崎病院)

Keywords:配置転換、困難、看護師

【抄録】
【目的】NICU に配置転換となった看護師の困難を明らかにする。【方法】研究対象者へ本研究の主旨を紙面で説明し研究への同意を得た。令和3 年7 月から11 月の間にNICU 経験歴のない2 年目以下の看護師5 名。看護師平均年数は9.4 年、育児経験有り2 名、無し3 名であった。インタビューガイドを作成し半構成的インタビューを実施。IC レコーダーの録音を下に逐語録を作成、困難に関する内容を抽出しコード化した。コード化した内容を類似性に基づき分類し、サブカテゴリーを抽出し、抽象化してカテゴリーとした。困難とは配置転換によって困ったり思い悩んだり難しく思っていることを指す。【結果】32 のコード、9 のサブカテゴリーから「予期せぬ配置転換」「常に緊張感を伴う環境」「日常生活援助への不安」「専門的治療援助への不安」「多様な家族への関わり方」「教育支援に対するジレンマ」の6 つの困難があった。【考察】「予期せぬ配置転換」仕事と育児の両立には家族の理解・協力が重要な要因であり、希望外の勤務形態で夜勤に対する不安や葛藤があったと考えられる。「常に緊張感を伴う環境」閉鎖的な環境で3 時間毎のバイタルサイン測定や哺乳など、一般病棟との環境の違いに戸惑いを感じていると考える。「日常生活援助への不安」育児経験が無い場合、児の生活イメージが出来ず初めて経験することが多く、育児経験がある場合は児の生活がイメージできる為、自己の子育て経験との違いに困難を感じる。「専門的治療援助への不安」NICU 特有の医療機器を使用しており成人とは異なることが多く、これまで培ってきた知識や技術が通用しないことに困難を感じており、自信をもって看護できない事が更なる困難に繋がっている。「多様な家族への関わり方」家族のあり方も様々であり対象に応じた関わり方が求められ、家族介入の仕方に戸惑いや困難を感じている看護師もいる。「教育支援に対するジレンマ」NICU はワンフロアですぐに他スタッフへ確認できる環境にあるが、病棟の状況によっては配置転換者同士でのペアになることも多い。ペアも異動者同士で聞きたいけど聞けないという結果から、病棟の状況や人手不足に関する困難があった。これらの6 つの困難を日々感じながらも、児の成長や自身の看護技術・知識の習得によるキャリア開発などに目を向けながら、自己の肯定的評価を高め配置転換を前向きに考え、困難を克服していく。