第53回(2022年度)日本看護学会学術集会 幕張

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口演

口演21群 看護技術の向上

Tue. Nov 8, 2022 3:30 PM - 4:30 PM 口演会場7 (105)

座長:飛世 真理子

[口演M-21-3] 日勤帯における病室の環境整備についての意識調査

中柴 里依, 池田 真実 (JR 広島病院)

Keywords:環境整備、整理整頓、事故予防、清潔管理

【抄録】
【目的】処置などの業務量が多く、他職種が勤務する日勤帯における看護師の環境整備に対しての意識と行動、その行動理由について調査し実態を明らかにする。その実態調査から安全安楽な環境を患者に提供するための示唆を得る。【方法】A 病院一般病棟に勤務する看護師106 名を対象に、環境整備に対する意識と行動、そしてその行動理由について質問紙を用いて調査した。質問紙の回答は単純集計し、意識と行動、その行動理由について相関関係的視点で分析した。この研究はA 病院の倫理審査委員会による承認を得た。【結果】環境整備に対する意識調査では「とてもそう思う」「そう思う」はすべての項目で60%以上であったが、行動調査では「いつもしている」は10 ~ 84%と項目によってばらつきがあった。行動理由は「事故予防」「清潔管理」「整理・整頓」が多く、ネガティブな行動理由としては「業務が多忙で時間がないため」が多かった。【考察】意識が高く行動も伴っていた項目の行動理由としては、「事故予防」が最も多く、日頃から看護師が患者の安全を最優先していることが考えられる。「モニターなどのコード類の位置」については、意識が高いのに比べ「いつもしている」行動としては低かった。行動理由としては「事故予防」「整理・整頓」「患者満足」などが多くあったが、多忙な業務を遂行しながら足下など目につきにくい箇所の整理・整頓は難しかったのではないかと考える。同様に意識はしているが行動が伴っていなかった「ゴミ箱のゴミの量」の行動理由としては「他のスタッフが対応してくれるため」とあった。ゴミ箱の清掃は、看護補助者や清掃委託会社のスタッフの業務であり、看護師が率先して行う業務ではないと認識されている可能性がある。多忙な業務の中で看護師が対応すべきことであるか、他職のスタッフに依頼できることであるか、患者の状態やニーズ、看護師の状況などを踏まえて総合的に判断し、マネジメントしていく必要がある。意識や行動の程度に関係なく、ネガティブな行動理由としては「業務が多忙で時間がないため」が多くみられた。患者に対して直接行う処置的な看護業務に比べ環境整備は看護業務としての優先順位が低いと認識されていることが考えられる。看護業務の中で環境整備の優先順位が上がってくると、訪室する度に整理整頓するなどの行動に繋がり、安全安楽な環境を患者に提供できる。