第53回(2022年度)日本看護学会学術集会 幕張

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口演

口演25群 災害看護

Wed. Nov 9, 2022 9:30 AM - 10:30 AM 口演会場2 (303)

座長:城尾 恵子

[口演M-25-5] 地域における医療体制づくり

-新型コロナウイルス感染症自宅療養者に対して-

福田 まさみ1, 城家 優子2 (1.あぐり訪問看護ステーション, 2.泉大津市地域包括支援センター)

Keywords:新型コロナウイルス、地域医療、チーム医療、災害

【抄録】
【目的】A 市医師会管轄地域住民の健康を、A 市の医療・介護のネットワークで守りたいというビジョンのもと、A 市モデルとして、新型コロナウイルス感染症自宅療養者に対し、医療提供体制を構築し、訪問診療及び訪問看護を円滑に行い、必要な医療ケアが行える。【方法】対象は、A 医師会管轄地域(A 市人口75000 人、B 町人口17000 人)の新型コロナ感染症の自宅療養者に対してC 保健所から訪問診療・訪問看護の依頼があったものとする。A 市モデルとしてのシステムづくりとして、まず、1.A 市医師会内の医療機関、訪問看護ステーション、調剤薬局で会議を開催し構成員を募る。続いて、2.ワーキングチームを結成しフローチャートを含むマニュアル作りを行う。3.実践しデータ管理を行う。【結果】会議は2回開催、会議にはA 市の医師会・訪問看護ステーション連絡会・薬剤師会に加え、C 保健所、A 市地域包括支援センター、B 町行政、A市行政の参加が得られた。A 市モデルの構成員は、8医療機関、3訪問看護ステーション、10調剤薬局、事務局としてA 市地域包括支援センター看護師とした。その中からワーキングチームをつくり、会議は5回開催しフローチャートを含むマニュアルの作成を行った。時間のロスを避けるため、C保健所からの依頼の連絡窓口はE訪問看護ステーションに一括し、輪番の医療機関と訪問看護ステーションに発信することとした。2022 年2 月より稼働。そのデータ管理についてはスプレッドシート(2月9件)を活用し、事務局が管理を行い情報共有として活用した。また、A 市モデル開始後も構成員で情報共有を行った。結果、C保健所から、訪問診療・訪問看護の依頼があったものに対し、その日のうちに対応ができ、必要な医療ケアを行うことができた。当初は、対象をC保健所から依頼あったもの、A 市医師会管轄地域としていたが、それ以外も行った。この取り組みにより、医師会と訪問看護ステーション、調剤薬局との連携や、さらに、保健所との連携も進んだ。【考察】A 市では、医師会を中心に、医療・介護のネットワークづくりをしてきた基盤があり、そのことが、今回の新型コロナウイルス感染症自宅療養者に対して、A 市モデルとしてスムーズに医療提供体制の構築することに繋がったと考える。このことは、地域包括ケアシステムを充実させ、更には災害対策にも繋がると考える。