第53回(2022年度)日本看護学会学術集会 幕張

講演情報

口演

口演28群 看護管理~看護管理者の役割、リーダーシップ~

2022年11月9日(水) 15:30 〜 16:30 口演会場2 (303)

座長:今野 朱美

[口演M-28-1] 主任看護師の行動変容によるカンファレンスの変化

永島 佑亮, 青谷 真紀, 村上 裕香 (総合東京病院)

キーワード:主任看護師、カンファレンス、クリティカルケアユニット

【抄録】
【目的】A 病院のクリティカルケアユニットの3 病棟で、看護ケアの質に関するアンケートを実施した。3 病棟で行っているカンファレンスの満足度は59% と低かった。満足度が低い要因として、主任看護師の役割が不足していることが一因ではないかと考えた。主任看護師の行動を変容することで、カンファレンスの改善に繋がったことを明らかにした。【方法】3 病棟の主任看護師3 名を対象とした。個人が特定されないように留意し、不利益がない事を説明して同意を得た。3 病棟で行っているカンファレンスの場面をプロセスレコ-ドに起こし、カンファレンス中の主任看護師の言動について、どのような言動をするべきであったのか、話し合いを重ねた。主任看護師としての役割を考慮し、スタッフへ「患者中心のカンファレンスを行う」、「意見交換ができるように声かけをする」、「意見が出たら見守る」、「多職種に参加協力を依頼し発言してもらう」ことを3 ヶ月間働きかけた。3 ヶ月後に振り返り、評価をした。【結果】主任看護師の介入前カンファレンスでは、患者の意見が反映されず、疾患に焦点がおかれていた。また、主任看護師がカンファレンスを進め、司会者と受け持ち看護師の対話になっていた。主任看護師で話し合い、意見交換ができるように声かけをする、意見が出たら見守る、意見がでるカンファレンスが出来るように環境を整える、多職種に参加協力を依頼する等、主任看護師の行動を変容した。3 ヶ月間働きかけ、主任看護師が行動を変容した後のカンファレンスでは、他看護師から意見が出るようになり、患者の意見を看護ケアプランに反映させることが出来た。【考察】介入前のカンファレンスは、主任看護師本位のカンファレンスで支配型のリーダーシップになっており、他看護師が発言できない環境を作っていた。質の高い看護を提供していくためには、看護管理者の役割が重要となる。主任看護師が、3 カ月間カンファレンスの意義を説明し、日々の看護に患者の意見を反映させたことで変化した。このことは、スタッフの自主性の尊重を見守ることでサーバントリーダーシップを心がけたことにある。また、意見がでるカンファレンス環境を整えることで、良質な看護を提供するための環境作りの一助となった。さらに、管理職として主任看護師が、自身の言動を見直し、役割を理解し行動することで、カンファレンスの改善に繋がった。