第53回(2022年度)日本看護学会学術集会 幕張

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口演

口演28群 看護管理~看護管理者の役割、リーダーシップ~

Wed. Nov 9, 2022 3:30 PM - 4:30 PM 口演会場2 (303)

座長:今野 朱美

[口演M-28-4] COVID-19 病棟に勤務した主任看護師の看護実践とリーダーシップ

舩津 文世, 林 晶, 緒方 静子, 蔵園 円, 山口 紋子 (福岡大学筑紫病院)

Keywords:COVID-19、主任看護師、看護実践、リーダーシップ

【抄録】
【目的】COVID-19 病棟の主任看護師が行った看護実践とリーダーシップの特徴を明らかにする。【方法】1.研究デザイン:質的研究 2.研究対象:COVID-19 病棟に勤務した主任看護師5 名 3.研究期間:2021 年8 月~ 2022 年2 月 4.データの収集方法:フォーカスグループ・インタビュー法を用いて、看護実践やリーダーシップについての語りをもとに逐語録を作成した。5.データ分析方法:作成した逐語録から抽出部分の意味の解釈を行い、カテゴリー化した。6.倫理的配慮:本研究はA病院の看護部研究倫理委員会の承認を得て実施した。【結果】A 病院でCOVID-19 の院内クラスターが発生し、COVID-19 病棟が編成され、主任を中心としたスタッフが集結した。主任看護師の実践とリーダーシップについて43 のコード、10 のサブカテゴリーから4 つのカテゴリーを生成した。《看護の創造》は、[新たな看護実践の検討]と[様々な力の集結] 、《スタッフの心に寄り添う》は、[スタッフの不安に応える]と[スタッフの悩みに気づく]のサブカテゴリーで構成された。《自己の役割を意識した部署運営》は、[信頼関係の構築]と[同じ役割を持つ主任看護師同士の協働]、[業務調整におけるリーダーシップ]、[変化への対処]、《役割発揮の意思決定》は、[役割を発揮する自信]のサブカテゴリーで構成された。【考察】主任看護師は、自らの二次感染にも注意しながら、感染という不安な日々を過ごす患者に対し[新たな看護実践の検討]と[様々な力の集結]を行い、初めて経験するCOVID-19 という危機的状況下でも、患者中心の看護を実践しようと《看護の創造》に尽力していたと考える。主任看護師は、スタッフとの[信頼関係の構築]を主任看護師の役割と考え、[スタッフの不安に応える]ことを意識し、[スタッフの悩みに気づく]よう声かけを行い、《スタッフの心に寄り添う》よう心掛けるサーバント・リーダーシップを発揮していた。サーバント・リーダーシップの発揮は、精神的なサポートを受けたスタッフがCOVID-19 病棟における看護師としての役割を認識し、安心して力を発揮できることにつながり、看護実践力の向上に繋がるものと考える。また、場面が異なるごとに指示型リーダーシップや参加型リーダーシップを発揮し、《自己の役割を意識した部署運営》を行っていた。