第53回(2022年度)日本看護学会学術集会 幕張

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口演

口演29群 在宅療養移行支援②

Wed. Nov 9, 2022 9:30 AM - 10:30 AM 口演会場3 (304)

座長:横山 孝子

[口演M-29-3] 看護師からケアマネジャーへの情報提供の現状と課題

渡邉 香央里, 眞下 結香 (JR 広島病院)

Keywords:看護サマリー、継続看護、退院前カンファレンス、退院支援

【抄録】
【目的】病棟看護師は要支援・要介護の患者が自宅や施設へ退院する際ケアマネジャー宛に看護サマリーの作成・必要時退院前カンファレンスの実施をするが、退院後短期間で再入院となる患者が多い。ケアマネジャーにとってどんな情報が重要か明らかにすることを目的とした。【方法】ハートページナビに記載されている令和2 年7 月現在のA 市B 区を管轄とする居宅介護支援事業所32 か所、ケアマネジャー計101 名を対象にアンケート調査にて量的研究、自由記載からカテゴリー化を行った。倫理的配慮:C 病院倫理審査承認後、対象事業所にアンケート送付を行い、本研究終了後は適切に処分した。【結果】回収率70.3% であった。保有資格は介護福祉士71.8%、看護師8.5%、以下社会福祉士、介護福祉士+社会福祉士、その他の順に多かった。看護サマリーは「現在の状況」「病名」「今後起こりうる病状の変化」「日常生活動作の能力」「認知症の程度」「食事の状況」「排泄の状況」「認知症の有無」「リハビリ継続の必要性」「外来通院の必要性」「清潔の状況」「主介護者の状況」「経済状況」「家族の関係性」を9 割以上が重要視していた。「医療機器機材の調達方法」は半数と低かった。退院前カンファレンスは、カテゴリー化にて「説明がわかりにくい」「退院前カンファレンスを開催してほしい」「今後の状態の予測について意見がほしい」「ケアマネジャー業務を理解してほしい」「質問・相談が行いにくい」「在宅の想定・指導が不足している」「家族との話し合いをしてほしい」の7 項目に分けられた。【考察】1. 対象地区は保有資格が介護福祉士である割合が7 割と全国平均に比べ非常に多く、医療的視点が欠如しやすいと言えた。2. 看護サマリーの情報は、ほぼ全ての項目を重要視していたが「医療機器機材の調達方法」のみ50.7% であり、介護福祉士からケアマネジャーになった割合が多い社会背景の関与が推測された。ケアマネジャーは保有資格により学習した基礎知識が異なり経験による知識の差がある為、特に医療処置の継続が必要な患者の退院時は医療的視点の引継ぎが必要である。3. カテゴリー化から「専門用語や略語を使用しない」「退院前カンファレンスのリモート開催」「退院後も継続必要な注意事項の共有」「ケアマネジャーの役割の理解」「入院早期からの連絡・早めの情報共有」の5 つを看護師は意識する必要がある。