第53回(2022年度)日本看護学会学術集会 幕張

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口演

口演29群 在宅療養移行支援②

Wed. Nov 9, 2022 9:30 AM - 10:30 AM 口演会場3 (304)

座長:横山 孝子

[口演M-29-5] 退院支援に向けての取り組み

-地域包括ケア病床の看護師としての意識向上-

甲斐 温子, 永田 くみ子, 安部 史華, 安藤 歩美 (日進おりど病院)

Keywords:チームカンファレンス、地域包括、退院支援

【抄録】
【目的】A 病院は一般91 床と地域包括38 床(B 病棟)の急性期病院である。地域包括ケア病床の看護師は、患者・家族、前病院・病棟や他職種から情報収集をし、退院支援を進めていく役割がある。B 病棟では、退院支援を進めるにあたって、他職種と情報共有するカンファレンスがある(以後、多職種カンファレンスとする)。しかし、多職種カンファレンスを行うまでの決まり事がなく、カンファレンス設定にB 病棟看護師の積極性もみられない。この現状は、地域包括ケア病床の看護師の役割を意識しているのか、疑問を感じる。今回、地域包括ケア病床の看護師としての意識向上につなげるために、必要な患者に多職種カンファレンスが行えるよう手順を作った。【方法】2021 年5 月~ 2022 年1 月にB 病棟に入床した患者に、1週間後を目安に多職種カンファレンスで検討する患者を選定する、チームカンファレンスをB 病棟看護師間で実施する。9 月に中間アンケート、1 月に終了後アンケートをB 病棟看護師に実施する。倫理的配慮、本研究はA 病院の疫学・臨床研究倫理審査委員会から許可を得た。アンケートは無記名で行った。【結果】チームカンファレンスを行った患者200 名のうち、多職種カンファレンス実施者は34 名だった。アンケートは師長を除く看護師19 名に実施し、中間、終了後共に回収率100%だった。「チームカンファレンスを開催するようになり、入院・転入時に情報収集する内容の変化はありますか」の質問に、ありの回答は、中間アンケートで53%、終了後84%だった。「どのような内容か」の回答として、入退院支援の介入状況、退院先、家族のサポートはどこまで得られるかなどだった。終了後のアンケートで多職種カンファレンスに参加した看護師へ質問した、「多職種カンファレンスで、自分が得ていなかった情報を知ることができたか」の、はいの回答は、71%だった。【考察】多職種カンファレンスが必要か検討するために、チームカンファレンスを開始したことは、退院を見据えた情報収集する看護師が増える結果となった。この結果より、地域包括ケア病床の看護師としての役割の意識向上につながったと考える。多職種カンファレンスは、他職種との情報を共有する場となった。次のステップとして、退院に向けて患者に合った支援ができるように、多職種カンファレンスをより多く行っていきたい。