第53回(2022年度)日本看護学会学術集会 幕張

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口演

口演3群 セルフケア能力向上への支援

Tue. Nov 8, 2022 3:30 PM - 4:30 PM 口演会場1 (302)

座長:永井 健太

[口演M-3-5] 外来心臓リハビリテーションに5 ヶ月間通院することができた患者が語る看護の及ぼす影響

森田 菜穂子, 安藤 ゆかり, 東 由紀子, 平田 智子, 斎藤 雄二 (横浜市立市民病院)

Keywords:外来心臓リハビリテーション、行動変容、実行期

【抄録】
【目的】外来心臓リハビリテーション(以下外来心リハ)を継続した患者のインタビューを通し、看護の関わりが患者の意思や意欲に与えた影響を明らかにする【方法】(1)研究期間:2021 年4 月~ 2022 年3 月(2)対象:A 病院に入院し、外来心リハに5 ヶ月継続して参加できた患者6 名(3)調査方法:参加の自由意思の尊重、匿名性の確保、厳重なデータ管理、体調変化時の対応など倫理的に配慮し文書と口頭で説明後、同意患者に対しインタビューガイドに基づく半構造化面接の実施(4)分析解析方法:1)年齢・性別など基本的属性や疾患に関する項目の抽出 2)インタビューの逐語録作成 3)得たデータを意味のまとまりごとに切片化しコード化 4)類似性や包括性からコードを集約し内容別に分類後、カテゴリー同士の関連を複数の研究者で検討【結果】合同面接時間123 分20 秒の中から、コード217、カテゴリー11、サブカテゴリー26 に分類、更に4つのコアカテゴリーが導き出された。以下<>をコアカテゴリー、『』をカテゴリーとする。<向き合おうとする>は、外来心リハを開始した患者は『心臓病に対する恐怖と受け入れようとする思い』がある中で『自分の病気を理解してくれる看護師による安心と心強さ』のカテゴリーで成り立っていた。<自分を見つめ振り返る>は『看護師との対話が振り返りや考えるきっかけ』が『病気になった自分自身を振り返る』きっかけになり、『病気に向き合い生活していく覚悟』をしていた。<実行し続けて効果を感じる>は『私にとってリハビリ室は特別な場所』と捉え、『看護師からの承認は意欲の向上に繋がる』『看護師の対応に心地よさを感じる』ながら『継続することでリハビリ効果を実感』し継続できていた。<自分らしく暮らす>は、5 ヶ月の心リハ終了を間近に迎えた患者は、『自分の生活に合せたリハビリ方法を考え見つけ』自立した行動がとれるようになっており、『外来心リハ通院が終了した後を見据え自分の考えを語れる向上心』が芽生えていた。【考察】生活習慣病の治療には生活行動の変容が不可欠であり、心臓病患者にとって心リハは予後を決定する要因になる事を考えても、実行期にあたる外来心リハはとても重要な時期である。そのため、患者と5 ヶ月伴走する看護師は定期的に患者の状況に応じた丁寧な働きかけが求められ、看護師の関わりがその後の維持期へ導く誘因になると考えられた。