第53回(2022年度)日本看護学会学術集会 幕張

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口演

口演30群 在宅療養移行支援③

Wed. Nov 9, 2022 12:40 PM - 1:40 PM 口演会場3 (304)

座長:横山 孝子

[口演M-30-5] 急性期病棟の看護師が考える退院支援と課題

半仁田 理絵, 杉山 靖子, 鎌田 優子 (飯塚市立病院)

Keywords:急性期病棟、退院支援、在宅療養生活

【抄録】
【目的】B 病棟の看護師が考える退院支援の内容と課題を明らかにする。【研究方法】病棟看護師15 名(20 歳代4 名、30 歳代3 名、40 歳以上8 名)に半構成インタビューを実施しコード化、カテゴリーを抽出した。インタビュー内容は⑴退院支援について関心がありますか。⑵①あなたが考える病棟での退院支援はどのようなものだと思いますか。②あなたが考える退院支援を実施していますか。⑶病棟であなたが考える退院支援を行っていくにはどうしたら良いと思いますかとした。分析においては共同研究者内で逐語録を繰り返し読みデータの意味の解釈を確認。その後、データ内容をコード化、ディスカッションしながらカテゴリー化を行い検討した。倫理的配慮:研究対象者へ個人が特定されないこと、参加・不参加により不利益が生じないことを口頭及び文章にて説明を行い同意を得た。また本研究は所属施設の倫理委員会の承認を得た。【結果】病棟での退院支援とはでは24 のコードから8 のサブカテゴリーを抽出し≪他部署との連携≫≪退院後の希望する生活の場所を確認≫≪生活能力の維持≫≪退院へのイメージが不明瞭≫の4 つのカテゴリーとした。退院支援ができていない理由としてでは42 のコードから12 のサブカテゴリーを抽出し≪業務との調整困難≫≪急性期病棟のため関心が薄い≫≪知識不足≫の3 つのカテゴリーとした。退院支援を行っていくためにでは23 のコードから9 のサブカテゴリーを抽出し≪業務の体制を整える≫≪多職種との連携≫≪意識付け≫の3 つのカテゴリーとした。【考察】B 病棟においては、入院中も日常生活動作を維持することや生活の質を落とさないような介入を退院支援のひとつとして捉えていた。しかし、急性期病棟における退院支援の明確な定義や目標がないこと、知識不足などから自分たちの業務として捉えられていなかった。先行研究においても退院支援ができない阻害因子として、知識・経験不足、他人任せ、時間的制約、職種間の情報・方針の共有困難、評価ができないとあるが、この研究結果と相反しなかった。今後、退院支援を充実させていく上でB 病棟全体で「急性期病棟における退院支援とは何か」について共通認識を持てるよう明確な目標設定と、支援できる内容を具体化していく必要があると考える。