第53回(2022年度)日本看護学会学術集会 幕張

講演情報

口演

口演34群 看護教育~継続教育~

2022年11月9日(水) 12:40 〜 13:40 口演会場4 (102)

座長:長谷川 美穂

[口演M-34-3] 手術室看護師が感じるやりがいから人材育成を考える

高橋 康子, 大賀 謙二, 方波見 紀子 (水戸赤十字病院)

キーワード:手術室看護師、やりがい、人材育成

【抄録】
【目的】A 病院手術室看護師が感じるやりがいの要因を明らかにすることで、手術室に配属になった看護師の支援や教育のあり方の示唆を得る。【方法】A 病院手術室看護師15 名に先行研究を参考に独自に作成した選択式・記述式アンケート用紙を用い無記名で行った。選択式は単純集計し、記述式は類似する内容をカテゴリー化した。【結果】手術室看護にやりがいを感じると答えたのは4 名、やや感じるは7 名、あまり感じないは3 名、感じないは1 名であった。どのようなことにやりがいを感じるか上位3 つを選択する問いには「術野を見て、先読みし迅速かつ適切に器械を出せた」を選択したのは9 名、「術前や術後訪問で患者と関わりを持つこと」は6 名、「患者や患者家族からお礼や感謝の言葉を聞いたこと」は6 名であった。やりがいを感じたエピソードは<達成感>、<患者との関係>、<他者から誉められる>、<その他>の4つのカテゴリーに分類され、やりがいにつながる要因は<達成感>、<他者から認められる>、<患者との関係>、<その他>の4つのカテゴリーに分類された。やりがいを感じられない人の理由に「周囲からのプレッシャーが大きい」があった。【考察】経験年数に関わらず、器械出し業務に携わることが充実感や喜びに繋がることから、教育プログラムを検討し、外回り業務ができる看護師を増やす必要がある。患者との関係では、担当看護師が患者から直接フィードバックが得られない場合もあるため術後カンファレンスを活用し、フィードバックと行った看護の評価を行うことでやりがいを見出す機会になる。他者から誉められるでは、スタッフ同士が小さいことでも感謝し合い言葉で伝える環境作りがやりがいにつながる。チームの一員として役割実感を得るには医師や看護師がお互いの役割について共有し、承認し合い、手術室看護師としての知識や技術を高めていく必要がある。周囲の期待をプレッシャーと捉える一方で<新しい仕事にチャレンジすること>にやりがいを見出す者もおり、捉え方には個人差がある。各個人に応じた目標設定をし、改善点を指摘するだけの指導ではなく、できたところを認め、成功体験を積み重ねることで、自信や達成感につなげられるような関わりが必要と考える。