第53回(2022年度)日本看護学会学術集会 幕張

講演情報

口演

口演34群 看護教育~継続教育~

2022年11月9日(水) 12:40 〜 13:40 口演会場4 (102)

座長:長谷川 美穂

[口演M-34-5] 褥瘡に関するリンクナースのリーダーシップ力を育成するためのコンピテンシー実態調査

守屋 薫 (戸田中央総合病院)

キーワード:コンピテンシー、リーダーシップ、看護師のクリニカルラダー(日本看護協会版)

【抄録】
【目的】褥瘡ケアのリンクナースのリーダーシップに関して、コンピテンシー調査により現状を明らかにする。【方法】褥瘡ケアリンクナース(以下リンクナース)と褥瘡に特化した専門的な教育プログラムを終了したリンクナース(以下褥瘡指導員)に対し、コンピテンシー調査を実施する。【結果】リンクナースのコンピテンシー調査結果は、領域2思考力(ビジョンを描く力)、領域3の企画実行力(企画し実行する力)、領域4の影響力(人を巻き込む力)、領域5のチーム運営力(チームをまとめ動かす力)において、平均値60%を下回る低い結果であった。また、看護師のクリニカルラダー:日本看護協会版(以下ラダーレベル)において、コンピテンシー調査結果のすべての領域の平均を超えることができていたのは、ラダーレベルⅣ以上が多かった。つぎに褥瘡指導員のコンピテンシー調査結果は、領域2.3.4.5は平均値を超え高い自己評価であり、ラダーはⅢ以上が多く該当していた。さらに、褥瘡ケアに該当する場面において、リーダーシップを図れていないと考えている場面は、いずれのリンクナース・褥瘡指導員のどちらも、褥瘡ケアにおけるフィジカルアセスメントや創傷スケールを確定する時に、リーダーシップが発揮できていないというスタッフが多かった。【考察】褥瘡指導員のほうがラダーレベルⅢであっても、コンピテンシー結果が良い結果となった。これは、褥瘡ケアに関する教育により、褥瘡ケア場面で自信をもって対応できているためであると考える。今後も調査対象者が、とくにリーダシップが発揮されにくかったという結果になったフィジカアセスメントや創傷スケールに関して、ケア実践教育をすることで、さらなるリーダシップの強化を図ることができることが示唆された。