[口演M-36-1] NICU/GCU における小児在宅移行支援パスの導入に向けた取り組み
Keywords:NICU/GCU における小児在宅移行支援パス、コミュニケーションスキル、多職種連携
【抄録】
【目的】NICU・GCU に入院する児の家族は、妊娠期に思い描いていた出産・育児とは異なる状況におかれるため、すべての家族に対して「NICU/GCU における小児在宅移行支援パス」(以下、パスとする)の視点をもって関わる必要がある。今回、A 病院NICU・GCU でパスを導入するにあたり、児と家族に関わる多職種で学習に取り組んだ。パスを実践で活用し、定着させるための取り組みについて報告する。【方法】A 病院NICU・GCU で児と家族に関わる多職種51 名(医師、看護師、退院支援専従看護師、保育士、臨床心理士)を対象とし、対象者を4 グループに分けて、多職種合同でのワークショップを企画した。内容は、小児在宅移行支援パスの理解(講義)、パスの内容を家族へ伝えるためのコミュニケーション・スキルを学ぶ(講義)、コミュニケーション・スキルを活用したロールプレイの実施、パスをもとに事例を振り返るグループワークとした。ワークショップ終了後に参加者へ振り返りアンケートを実施した。倫理的配慮として、アンケートは無記名で回収し個人が特定されないよう配慮した。【結果】すべての対象者がワークショップの内容について「理解できた」「大体理解できた」と回答した。自由記載では「コミュニケーション・スキルを意識して使うことができた」「ロールプレイにより相手の立場に立って考え、気持ちに寄り添った対応や声かけの大切さを実感できた」と回答があった。パスについては「講義とグループワークを通してパスの理解が深まり、各段階での支援が分かった」「事例の支援内容とパスとを照らし合わせることで、児と家族の段階と医療者の支援にズレがあることに気付いた」「家族へのアプローチ方法の具体的なアイデアが出され、多職種で話し合うメリットを実感した」と回答があった。【考察】NICU/GCU における小児在宅移行支援パスは、日本看護協会がNICU・GCU を退院する児とその家族の標準化した支援パスとして作成したツールである。今回、多職種合同でワークショップを行うことにより、多職種連携においてパスの活用が有用であることを参加者全員で共有した。今後、医療者だけでなく家族とパスを共有することで、より家族の意向に沿った支援に繋がると考える。実践においてパスを活用する機会を増やし、児の治療状況と家族が感じる状況の段階に沿った支援に取り組む必要がある。
【目的】NICU・GCU に入院する児の家族は、妊娠期に思い描いていた出産・育児とは異なる状況におかれるため、すべての家族に対して「NICU/GCU における小児在宅移行支援パス」(以下、パスとする)の視点をもって関わる必要がある。今回、A 病院NICU・GCU でパスを導入するにあたり、児と家族に関わる多職種で学習に取り組んだ。パスを実践で活用し、定着させるための取り組みについて報告する。【方法】A 病院NICU・GCU で児と家族に関わる多職種51 名(医師、看護師、退院支援専従看護師、保育士、臨床心理士)を対象とし、対象者を4 グループに分けて、多職種合同でのワークショップを企画した。内容は、小児在宅移行支援パスの理解(講義)、パスの内容を家族へ伝えるためのコミュニケーション・スキルを学ぶ(講義)、コミュニケーション・スキルを活用したロールプレイの実施、パスをもとに事例を振り返るグループワークとした。ワークショップ終了後に参加者へ振り返りアンケートを実施した。倫理的配慮として、アンケートは無記名で回収し個人が特定されないよう配慮した。【結果】すべての対象者がワークショップの内容について「理解できた」「大体理解できた」と回答した。自由記載では「コミュニケーション・スキルを意識して使うことができた」「ロールプレイにより相手の立場に立って考え、気持ちに寄り添った対応や声かけの大切さを実感できた」と回答があった。パスについては「講義とグループワークを通してパスの理解が深まり、各段階での支援が分かった」「事例の支援内容とパスとを照らし合わせることで、児と家族の段階と医療者の支援にズレがあることに気付いた」「家族へのアプローチ方法の具体的なアイデアが出され、多職種で話し合うメリットを実感した」と回答があった。【考察】NICU/GCU における小児在宅移行支援パスは、日本看護協会がNICU・GCU を退院する児とその家族の標準化した支援パスとして作成したツールである。今回、多職種合同でワークショップを行うことにより、多職種連携においてパスの活用が有用であることを参加者全員で共有した。今後、医療者だけでなく家族とパスを共有することで、より家族の意向に沿った支援に繋がると考える。実践においてパスを活用する機会を増やし、児の治療状況と家族が感じる状況の段階に沿った支援に取り組む必要がある。