第53回(2022年度)日本看護学会学術集会 幕張

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口演

口演38群 認知症者の看護

Wed. Nov 9, 2022 12:40 PM - 1:40 PM 口演会場5 (103)

座長:千田 睦美

[口演M-38-1] ユマニチュードの技法を用いてケアを行った認知症患者の変化

大谷 渚, 中村 千明, 平山 のぞみ (日本赤十字社長崎原爆諫早病院)

Keywords:ユマニチュード、心地よさ、評価保清表

【抄録】
【目的】A 病院は2019 年に認知症ケアの技法として知覚・感情・言語による包括的コミュニケーションに基づいたケアの技法であるユマニチュードを取り入れた。B 病棟は地域包括ケア病棟で高齢患者が多く2019 年の半年で日常生活自立度判定基準3以上の患者は26%となっている。ユマニチュードのケアのレベルに添った評価保清表を使用し清潔援助を行うことで、患者がどのように変化するのかを明らかにする。【方法】研究期間:令和X年3 月~ 7 月 研究対象:日常生活自立度判定3a 以上の患者で同意が得られた3 名 研究方法:対象者に応じた清潔援助を選定し評価保清表を作成した。ケア実施後、看護師はユマニチュードの4つの柱と5つのステップの実施項目が記載されたチェック表と重度認知症高齢者に対するケアの効果を把握する指標を元に独自に点数化したチェック表を記載した。看護記録にケアの内容を残してもらい研究者が評価した。【結果】C 氏80 代女性 全介助でシャワー浴とポータブルトイレでの陰部洗浄を行った。覚醒を促しケアを行った際に心地悪い状態が見られた。D 氏80代女性 入院後より徐々に臥床傾向となった。入院前半は心地よい状態が多かったが、後半になると心地悪い状態が目立つようになったタイミングを見て声掛けしシャワー浴を行った。E 氏90 代女性 介助シャワー時は心地よさが高得点となり陰部洗浄のみの際では心地悪さがみられた。【考察】C 氏は評価保清表によるケアで離床時間の確保とADL の維持ができた。入眠中に覚醒させケアを行ったことで心地悪い状態となった。D 氏の心地悪い状態が多い理由として認知症状の進行による意欲の低下が考えられる。評価保清表に沿ったケアが必ずしも心地よさに比例するとは言えなかった。E氏について、「陰部洗浄は誰であれ屈辱に感じる」とYves GINESTE らが述べていることから陰部洗浄時の心地悪さの点数が高かったのではないかと考える。また、評価保清表によるケアで体動が増した点とシャワー浴で心地よい状態を得ることができたと考える。